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クエスト名「A Random Encounter(後編)」
Glenvar城の地下迷宮際奥、Inner Shrineの暗い牢獄に閉じこめられた人影。依頼人Vilandorの祖父Vanidor発見かと思いきや。声が若い。しかも女。取り乱し、懸命に鉄の檻を叩いていた。 「狂った…彼はおかしくなったの…あぁ、神様、こんなのは嘘…悪夢だわ…そうよ、そう、悪夢にきまってる…あぁ、お願い、今すぐ私を起こして…」 「落ち着いて、説明してくれるかな」 「…貴女の言うとおり、気を静めないと…落ち着きなさい、私…まず名前からよ…私の名はGlera …私はGlera…えぇ…ガードのGlera」 檻の中のDunmer女は呼吸を整え、自分に静まれと言い聞かせた。 「この城の警備員?」 「そうです、少なくともそうでした、 Liege様が…その…惨殺されるまでは。なんて酷い、怖ろしいことを!私は彼が生きたまま皮を剥がされるのを見たんです」 「!」 「何も出来なかった。呪文のようなものに支配されて動く事も叶わなかった。でも、この眼で見た、この耳で聞いた、Liege様が叫び続ける悲鳴を。彼奴が狂ったような笑い声をあげ、肉を裂き、血を飲み…あぁ…辺りは血まみれになって…あとは死の臭いが立ちこめて…」 元城内警備のGleraは城で何が起きたのか辿々しく話し始めた。彼女は七人の仲間と伴に城主Liege Albricに仕えていたそうだ。悪夢はゆっくりとGlenvar城を浸食していった。不吉な前兆を見過ごしたと彼女は酷く後悔した。 「最初は小さな家畜が消えた。その後はまかないのメイド、そしてガードが二人。その全てに彼がいたの。まるで何もなかったかのように、穏やかに話し、微笑み、老いて賢く…私たち皆のお爺さんみたいに振る舞った」 「彼?」 「でも私は彼奴の正体を見た、汚らわしい獣!Albric様の骸を吊り下げたまま放置したんです…共に過ごした日々を思い出せと、彼奴が言った。後の数週で彼奴が血を採りに来るたびに一人、また一人と彼奴のように変わっていった…吸血鬼に、全員が!私は残った最後の一人。彼奴は笑ったわ、すぐに私の番だ、サービスしてやる…特別待遇をって…あぁ、お願い!ここを出して!今すぐ!」 Gleraは再び恐怖に顔を引きつらせ、檻を強請った。 「落ち着いて。大丈夫だから。もう少し話を聞かせて。その汚らわしい獣って?」 「私たちは彼奴がAlbric様を串刺しにしてからはそう呼んでた。彼奴の仲間は“古き者”と讃えてたけど。私にはVanidorとして憶えてる者にしか見えなかったわ。嘘よ、何の冗談なの!」 …最悪。捜してるVilandorの祖父が吸血鬼のボスだわ。 「えぇ、Albric様の使用人だった頃は自分をそう呼んでいたし…Vanidorは庭師だった。賢くて…面倒見のいい人だったわ…でも、もう判ってる。判ったのよ、彼は怪物だと。冷酷で残酷で容赦がない。狡猾で病気なの…そう、彼は病気なのよ!遂に正体を現した…そうだ、憶えてる、最後に彼の孫が訪ねてきた後から、確かVilandorっていう。それからVanidorが奇妙な行動を始めたの。留守に、何の理由もなく数日姿を消した。その時にここの入口を発見したのよ。きっと、すぐに隠れ家として模様替えを始めたんじゃないかしら」 「…そして準備が整った後、殺戮を始めた。Molag Balの像を持ち込んだのもVanidorね」 「ご免なさい、私はもう駄目…彼はまだこの近くにいて、すぐにでも私のところへ来るって思うと。ここから出して!お願いです、私を自由にして、Glenvarに巣くう怪物たちを止めて下さいますか?」 Vanidorは勿論、他のヴァンパイヤたちもまだ周囲を彷徨いてる。檻の中のほうが安全なんだけど… 「判った」 「あぁ、ありがとう!お願い、早く、この独房の扉を開けて。鍵は通路の入口側のボタンで開け閉めします」 上へ繋がる通用口も見つけたが、やはり巨大な根で塞がったままだった。 灯りのない棺の並んだ広間で、依頼人が暗がりの奧に鎮座するドラゴン像を眺めていた。 「こんなところで何してるの?」 「おぉ、これは旅人の方。またお会いいたしましたな」 「説明して貰える?」 「ま、当然でしょうな。僭越ながら、おおよそのことは多分貴女にも理解出来てると思うのですが、どうでしょう?」 「…聞きたいことはあるわよ」 「ではお話を、真実の探求者は何をお知りになりたい?」 Vilandorはまるで客を迎えるような営業スマイルを浮かべた。 「…吸血鬼だった。オールドニュースですな!勿論、私は知ってます。つまり、彼を汚染したのは私でして…おっと、言葉が足りなかったですかな…彼を噛み、あら不思議、彼は吸血鬼へと変身!事故ですよ、実際、ただ彼のくだらない庭園でうっかりぶつかってしまい、ちょっとひっかいただけのこと」 「事故?」 「あのような狂犬では役に立ちません。普通、歳を重ねた者は雄牛のようにはならないものですが、彼はまだ群れのリーダーになりたがった。私なぞ生涯トラブルから身を遠ざけてきたというのに、あの馬鹿の大量殺人で全て台無しです。全て!」 惨劇の原因が自分にあると保菌者のVilandorはあっさり認めたが、まるで責任を感じておらず、反対に祖父であるVanidorを非難した。 「…呆れたもんね」 勿論、Vilandorの厚顔無恥ぶりに対してだが、当人はそうとらなかった。 「全くです。我らの庭師が手当たり次第に噛みまくってくれたおかげで、倍々ゲームで徒党を組んだ地元住民の皆さんが、バケツ一杯の聖水と先のとがった杭を荷馬車満載にして城を取り囲むのは時間の問題です。誰の得にもならないというのに、嫌になりますなぁ。私の計画ならそんなリスクもなく事を運ぶことが出来ましたが…」 「計画?」 「私、Glenva城にはずーっと前から眼をつけてましてね。理想の場所ですぞ。商いの可能性は潤沢、同時に必要なプライバシーも完璧とくれば」 以前から彼は城主Albric卿に城の買い取りを申し出ており、長年の交渉が実った矢先、祖父が事件を起こしてしまい立ち往生する羽目になったと説明した。 めでたしめでたしと、満足げにVilandorは話を締めくくった。 「…宝?」 「ええ、貴女のお宝。助力はすこぶる有益でした。適切な行為には適切な感謝を、それが私のモットー。Glenvar城にはお宝が眠ってます、丁度回収しようとしていた時に貴女が現れたわけで。丁度良い、手を貸して下さい」 広間は大きなドラゴン像を崇めるかのように墓石が三つ並んでおり、更に各々の墓石には三つのボタンが配置されている。 「墓石のボタン、見えますよね?結構。Glenvarの宝を出すには適当な順番でそれらを押さなくてはならないのです。私は手順を記録した古文書を手入れました。私が解読、翻訳し、君が正しい順番でボタンを押す。よろしいですかな?」 「いいわよ」 素晴らしい、とVilandorは懐から本を取り出した。ページをめくり、わざとらしく眉間に皺を寄せて頷いた。 「まずは、え~と…ふむふむ…最初のボタンは右の墓、中央のようです。判ります?なら押して下さい、どうぞ」 指示されたボタンを押すと。 「うぁ!」 振り返るとVilandorが鞘を払い、襲いかかってきた。
by yamanobe26
| 2008-08-13 07:50
| Oblivion日記MOD編
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