カテゴリ
ご注意 Simらし本編 Simらしスナップ Sims2使用素材 Fallout3日記 Index Fallout3日記 Oblivion日記 Index Oblivion日記本編 Oblivion日記外伝 Oblivion日記SI Oblivion日記MOD編 Oblivion日記W Skyrim日記 Index Skyrim日記 その他のジャンル
最新の記事
|
クエスト名 「Necromancer's Moon」
「Cyrodiilにおける増大するネクロマンサー問題に対処する為に、評議会はより多くの情報を必要としている」 Raminus Polusが真剣な顔で「難題」などと前置きしたものだから、今度は潜入捜査でもやらせる気かしらと、サスペンス色満開な仕事を想像したのだが、根がおっとり集団の魔術師ギルドだ。そんなBladesの連中みたいな任務があるわけない。 「Mystic Archivesはあまり期待されてない。ギルドのメンバーは他をあたってる。だが、私はそこでこそ多くの収穫があると考えてる」 Mystic Archivesは大学図書館…つまり何、図書館で調べろと?今回はまた思いっきり地味なラインできたわねぇ。 「で、なにをするの?」 「Mystic ArchivesでTar-Meenaと話をしてもらいたい。彼女はアルカナのスペシャリストで、情報収集に貢献してる。私はこう考えてるんだ、我々が彼女に誤った問いかけをしてるんじゃないか、我々が知ろうとしてる事が漠然としすぎていて彼女に負担を掛けてるんじゃないかとね」 …なんとなく分かるな。議論好きがよく陥るやつね。 「具体的には、彼女に例のBlack Soul Gemについて聞いてみよう。もし彼女がその力や製造について何か知っていればだ。その起源についての見識が、この事態を招いたのが誰なのかを知る手がかりになるかもしれない」 「Tar-Meena?」 「彼女の専門、秘儀の知識は非常に貴重で有益だ。我々が正しく扱えれば、だが。彼女は現在、Archivesで会えるはずだ。そこで死霊術の資材について研究している。大魔術師の要請で寝る間もなくね」 Telvanniの連中がいれば詳しいんだけどな。Dunmerの名家Telvanniはその手の秘儀のオーソリティだ。魔術師ギルドが組織的に敵対しているのは、実質このTelvanni家だけだろう。と言っても戦争状態ではなく、よく言ってライバル、下世話に言えば商売敵ってとこかしら。技能的にもプロとアマくらいの差があるんではないかと私は思う。無論あっちがプロでこっちがアマだけど。 帝国ではネクロマンサーを悪即断で通してきた結果、その資料もないってことか。 私は塔を出て大学内の図書館Mystic Archivesに、その寝る暇もなくこき使われてるTar-Meenaを訪ねた。 「悪いけど、知りたいことがあるなら自分で調べて。私は死霊術なんてうんざり、耳タコなの」 案の定Tar-Meenaのご尊顔は非常に凶悪だ。かなりキテますねぇ。 「よく聞いてちょうだい、私はネクロマンサーじゃないの。私は単に研究してただけで、その類の連中に関係ありなんて誰が思うのよ」 「あはは…何故そんなに忙しいのかな?」 「何故!何故でっすって!本気で言ってるの?評議会の魔術師がこぞってここへやってきて、口を揃えて聞くのよ、ネクロマンサーに関する情報はないかってね!」 「う」 「死霊術、こともあろうに!」 「いや、私もあなたに聞けって言われただけで…」 「ええ、そうでしょうよ、あなたもね!」 とまぁ、とりつく島もない。 「間違いなく評議会は私を邪魔する為にあなたをよこしたんだわ。ちょっと前にCaranyaを追い出したばかりなのに、どうして私を放っておかないのよ!」 どうやら先客がいたらしい。評議会のオバハンが来てたのか。 「私は話をするばっかりで、時間がないのに結果が出せるわけないじゃない!こんな状態で働くなんてごめんだわよ!」 あらら、とうとうキレちゃった。しょうがないよね。 「分かった、手伝うわよ。何をすればいい?」 「…手伝う?」 他人の不幸が物笑いの種な大学で、こんな申し出を受けた事はないんだろう。彼女、きょとんとしてる。 「無理よ、あなたには出来そうもないわ。私の荷物を肩代わりできなきゃ、私の助けにはならないしね」 自他伴に認める武闘派の私に書生のまねごとができるわけないか。けれど… 「でも気持ちは嬉しいわ。もしあなたに具体的に知りたいことがあるなら、ネクロマンサーについてなんて尋ねるよりは筋道がたつけど」 それでも彼女は私の健気さに免じて、話を聞いてくれる事になった。ついた餅より心持ち。人徳だわ。 さて、聞きたいのは充分に具体性のある事項だから、その点でも彼女の希望に添う。お使いの主旨、Black Soul Gemについて尋ねてみた。 「う~ん、少しは具体的だわね。ようやくまともに答えられそうだわ!ちょっと待って…」 一体、評議会の連中は彼女にどんな問いかけしてきたやら。Tar-Meenaは笑みまで浮かべて考えてる。 「あ、そうよ!その手のGemの参考になる、余り知られてない文献があったわ。たしかFalcarが返却してるなら、その辺にあると思うけど」 …どっかで聞いた名前が出てきたな。 Falcar! Cheydinhalの魔術師ギルド支部長でありながらネクロマンサーになった男。あいつここに来たのか。 なにやらにわかに緊張感が高まってきたぞぉ。 「本のタイトルは『Necromancer's Moon』だったわね。文書の出所は知らない。でも、あなたが興味のあるGemについて載ってたと思う」 Tar-Meenaはその『Necromancer's Moon』を自分で探してくれと言ってきた。彼女は他のことで手一杯で、何がどこにあるかも憶えてないんだそうですよ。書庫の管理官が本の手入れができないとは哀れな。 「みじめだわ」 心中お察し致します。 本があればTar-MeenaはGemのことを調べることができる。私は書棚を探し歩いたが、結局その本は窓際のテーブルに出しっぱなしになっていた。あらま。 「とても興味深い文献、そう思わない?私たちは幸運だわ、とにかく一人のネクロマンサーが時間をかけて記録した情報よ」 本を受け取ったTar-Meenaは目を通している。私も見つけた時に開いてみた。内容は…理解できるものじゃない。ネクロマンサーの福音書なんて、書いた奴は頭がいかれてるんだから。ただ、理解はできなくとも、何が書いてあるかは字さえ読めれば分かる。 "Revenant、ネクロマンサーの陰、我らの全てを見張るものなり。彼の影、神の御位に上り、天空の然るべき位置にあり、敵なるArkayを『彼』に仕えし者どもより隠す。標を待ち、天より光が降り注ぐ時、『彼』の祭壇へと急ぎ、捧げよ。さすれば『彼』は汝を祝福し、汝はその真実の力を知る。『彼』に捧げられしGrand Soul Gemは暗く、無意なる魂を閉じこめる。偉大なるN'Gastaさえも驚愕する偉業なり" ネクロマンサーのやってることは実質我々がエンチャント術と呼んでるものとさして変わりない。対象が人間であるかないかの違いだけだ。だが通常の方法ではSoul Gemに人間の魂は封印できない。それが可能なのはBlack Soul Gemだけで、この本にはその製法の記載がある。 「私はこの本に記述されてる"Shade of the Revenant"なんてよく知らないわ。道楽半分で手をだすようなものじゃない。教義に反する術よ」 Tar-Meenaは嫌悪も露わに吐き捨てた。まっとうな魔術師なら当然の反応だ。 「あなたがそうしたいなら、これ持っていていいわよ、今のところはね。評議会でも用途があるかもしれないし。ただ、私も必要になるかも知れないから、早めに返すように言っておいて」 私は図書館員の決まり文句に返事をして、勿論感謝を込めてだ、本を借り受け、その足で塔に戻った。 …Raminus、椅子は立つところじゃなく座るものよ。 高みに立って機嫌がいいんだか、自分の目論見があたったんで気分がいいんだか知らないが、Raminusはいつにも増してにやけた顔で本を受け取り、食い入るように読み始めた。 「うむぅ…"Shade of the Revenant"か、聞いたこともないな。天空現象の部類だろうか?」 う、強烈な見下し視線だ。 「これが間違いないなら、Orreryの管理人Bothielが一番知ってそうだな」 Orrery、天球儀はギルドの所有する特別な装置。扱えるのはごく一部の人間だけだ。Bothielはその数少ない一人で、そしてその彼女はさっきから目の前にいる。偶然って恐ろしいわ。 「Revenant、そう言いましたか?天の中の何かを示すって?よく知っておりますが。考えさせてくださいませ…」 何か心当たりがあるようだ。 「ああ、そうです!思い出しましたわ!Falcarが少し前に来たのです。それでそんなようなこと尋ねてまいりましたわ。研究の為とか言って。すごい束のノートを抱えてましたわね」 Falcar。ここでも出てくる。してみるとFalcarもBlack Soul Gemの製法を調べに来たのか。 「私はあなたにしてあげられる以上のアドバイスを彼にはしておりません。壊れたも同然のOrreryでは判断しようもないですし」 Orreryは石が汚染して使えなくなったとかいう噂を小耳に挟んだ。本当だったのか。 「Falcarが残していったものがありますわよ。彼のノートから落ちたメモだと思います。私は注意を払いませんでしたけど、あなたの役にはたつんじゃありませんこと」 Bothielはメモを取り出して、私によこした。Hastily Scrawled Note?なんだこれ? “主要な場所” The Dark Fissure Fort Istirius Fort Linhal Wendelbek “祭壇に上れ。Anhoritesを呼べ。空を見よ。一週に一度、『彼』の恵む輝きが我らに降り注ぐ” 並んでるのは地名だ。洞窟と砦だな。 最後のは本の一節 “天より光が降り注ぐ時、「彼」の祭壇へと急ぎ、捧げよ。さすれば「彼」は汝を祝福し、汝はその真実の力を知る” の補足か。その"Shade of the Revenant"とやらは週一で起こる現象なのか。 「つまりFalcarも同じようにRevenantに関心を持っていて、このメモを残したんだな?重要な手掛かりだ、調査の必要性がある」 Raminusはメモを読み終わった後、私にリストにある場所を調べるように指示してきた。当然そうなるだろうな。 リストの一番上、Dark Fissureの場所は彼が知っており、Cheydinhalの南にある山の洞穴だそう。祭壇がそこにあるのなら、"Shade of the Revenant"が起きた時に何が行われているのか見てこいってわけだ。早速行ってみますかと、塔を出ようとしたら釘を刺された。 「頼むから、慎重にやってくれよ。君が生き残ってなきゃ何を見つけても無意味なんだから。我々は強力な軍隊とやりあってるようなもんだ。避けられるなら、危険な状況に踏み込まないでくれ」 斥候は斥候らしく隠れてコソコソやってろ、英雄なんかになろうと思うなってことね。私は返事の代わりにニタリと笑って返すことにした。彼がどんな顔をしたかは見ていない。 翌朝、私は帝都を出て東へ向かった。 Dark Fissureはつい先日お邪魔したVahtacenの対面にある。結構な坂道を登ると場違いな祭壇とステキな飾り付けが目を引く洞窟があった。周りに生きてる人間の気配はなし。洞窟の中かしらね。 野盗からぶんどったキャンプで寝泊まりしつつ、昼間は川で水遊びや近所の洞窟を荒らして回り、夜はDark Fissureを一晩中見張るという生活を初めて3日目の夜。午前0時ジャスト。それは起きた。 さて、"Shade of the Revenant"が何であるかはこの目で見た。祭壇から証拠品のBlack Soul Gemとくたばった黒服から製法のノートも手に入れた。Raminus Polusの「お使い」は完璧に終わりだ。だからここから先は私用、冒険者のお仕事。なに、野盗退治に入った洞窟に、たまたまネクロマンサーがいたってだけのことだ。よくある話じゃない。山があれば登りたい、洞窟があれば潜ってみたい。それが冒険者ってものよ。 「それで、見たんだな?祭壇がSoul Gemを変える何らかの力を吹き込むのを」 帝都に戻った私は大学に向かう途中、塔を出てきたRaminus Polusを捕まえて見たことを伝えた。 「私は評議会に報告する。重大な問題だ、まったく。それらが絵空事ではないと知らせねばならん」 Raminusの心中は複雑どころか、底なし沼に落ちたような気分だろう。 彼らの力の根幹であるBlack Soul Gemの製法が分かったのだ。これはネクロマンサー問題に関して大きな進展だと言える。そして同時にもはや死霊術を邪法の一言で片づけられない事態になったことを意味する。天からくる光。連中は失われた星の光を取り込む術を見つけだした。 「私は恐ろしいよ、我々が思っていたより彼らの規模は大きいのかもしれない」 多分、そうでしょうね。RaminusにDark Fissureを殲滅した事は報告しなかったが、中はそこらの洞窟とは比較にならない数の怪物でひしめきあっていたし。 「又、お手柄だったな。私は感謝してる、勿論評議会もね」 毎度の決まり文句を述べて、Raminusは重い足取りのまま魔術師の塔へと引き返して行った。 この事件は私が考えていたほど単純なものではなくなってしまった。もっと暗く、深い穴の底で何かが起きようとしている。
by yamanobe26
| 2006-05-09 23:58
| Oblivion日記本編
|
ファン申請 |
||