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クエスト名『A Ring(前編)』
Goblinの“聖なる聖盃”を胡散臭そうに眺め、Helena Selectusは棒読み気味に労いの言葉を吐いた。まぁ…判りますけども。逆さにひっくり返して見ようとただの壺。二束三文どころかお値段ゼロ。金庫の肥やしにもならない。何故にゴブ達がこんなガラクタを神聖と崇めるのか、是非Mirisaに聞いてみたいところだ。 残る選択肢は殲滅のみとなり、渋るビア樽Ruinを引っ張り出して残存Goblinを掃討、その後に聖盃を回収、帰還と終わってみれば極道な殴り込みと何ら違わぬ体たらく。私的には余りのグダグダっぷりに恥じ入るばかりなのだが、襲撃犯の徹底排除を望む上司はこの結果に満足した。 元よりHelena女史はこの事件に関心がない。壺のことなぞ忘れ、次なる任務の説明に入ったのだが。 「伯爵の指輪?」 「貴女が現状をどの程度理解しているのか判らないのですが…誰が伯爵に相応しいのか、そういう議論が出る原因の一つは一族の印章付き指輪が紛失している為です」 その表情が険しいものに変わった。 「所持しているだけでは何の権限も与えないにしろ、それは重要なシンボルなのです。もし指輪を所持する者が現れたなら、殆どの者からWindfallの正統な指導者と見なされるでしょう。あの不届きなRighteousの手に渡るなぞ、決してあってはならぬこと」 「紛失したのはいつごろの話です?」 「指輪は代々の伯爵により護られてきました。過去において伯爵が死去した場合、指輪は次の指導者へ譲渡もしくは遺贈されています。通常は近親者に。ですがAlconius伯爵が亡くなられた際、指輪は消えてしまった」 「…」 説明を聞いて愕然とした。 お屋敷程度ならともかく、島を治める領主が安直に指輪一つで決まるとはいかなるお伽噺か。その絶大な影響力を持つ指輪が紛失したということは、つまりなんだ、御大Brend Varoは正統な伯爵と認められていない? 「死亡時、伯爵は北にある一族所有の砦で療養中でした。おそらく指輪は希望する相続者を記した書簡と共にそこに隠されているはず。我々と謀反人ども双方が部下を派遣しましたが、全て手ぶらで戻っています。所詮、彼らはただの使いっ走り。冒険のプロを投入する時が来ました、貴女の出番です」 Helenaは一本の鍵を取り出した。 「この鍵はBrend Varoから直に預かりました。何の鍵かは聞いていません。ただ必要になるだろうと」 「…」 「調査が完了次第、報告に戻るように」 寄り道はするなと目尻で訴えて、彼女は説明を終えた。 まさか文字どおりの意味だったとは…驚くやら、呆れるやら。 RuinがFracusから聞き出した“指輪”の話。あれは伯爵の印章指輪のことだ。Helenaは口を濁したが、指輪の所有者はそれを帝国に証して初めて伯爵と認められる。騎士団が軍の介入に神経を尖らせるのは当然ですな。Brend Varoが伯爵ではないのなら、下手を打てば首をすげ替えられる。 いくら待っても交代の人員がこないのだ、と青年はぼやいた。 「スラムの反乱騒ぎを知らないの?」 「惜しいが、その手はくわん。本当に反乱が起きているなら、誰かが来て教えるはずだ。私はそれほど馬鹿ではないぞ。戻ってVolenに言ってやれ、くだらない遊びに付き合う気はないと」 「自分が戻って確かめればいいじゃない」 「それは出来ない。伯爵自らが私に持ち場を離れるなとおっしゃったのだ」 彼は誇らしげに胸を張ってみせた。 新入りガード氏(私よりも古参ではありますが)は上役Volen Harbentoに忘れ去られた模様。つまるところ彼が待っている本来の交代要員は…他ならぬ、この私。 「頑張って下さい!」 「君もな」 兜の下で窮屈そうに押し込められた顔が晴れやかに笑った。 伯爵家の別荘は正面に湖、裏手には海を配し、丘に構える。惜しむらくは建物がその美しい景観にそぐわぬ無骨な砦なこと。別荘に要塞を建てるのはちと酔狂に過ぎませんかねぇ… 着いたのは伯爵家の霊廟。正門は反対側の道だ。 供え物と共に鍵の掛かった小箱が置かれていた。もしやと思い、預かったBrendの鍵を差し込んでみるとカチャリと開いた。 中身はまた鍵が一本とメモ…指輪はない? メモのほうもHelena女史が期待する後継者を記した書簡ではなかった。 “BrendとStiliusへ お前達は二人とも私の息子だ。私は相続に関して贔屓したと思われたくない。どうにか死ぬ前にどちらか一人を旨く選ぶことの出来る手段を考えついた。もっとも、ただの早い者勝ちかもしれないが。この鍵は隠された箱を開ける、中に私の指輪とそれに付随する支配者の権限が収まった。指輪は賢く用いよ” Alconius伯が二人の息子に宛てた遺書。これを読む限り、伯爵自身は後継者を決められずにこの世を去ったようだけど…何にせよ騎士団、とりわけBrendにとっては余りありがたい内容ではない。Helenaからは書簡の回収を厳命されているが、彼女がこのメモの扱いに苦慮するのは確実だ。 正門へ廻ると厩舎に斑模様の馬が寂しげに繋がれていた。廃城のはずなのに。
by yamanobe26
| 2010-07-12 18:56
| Oblivion日記W
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