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クエスト名『A Raid』
「これは直接的には我々に関係のない事件です。かといって何もしなければ我々の評判に傷が付くでしょう」 心配せずともごく一部除きVaro騎士団の評判はすこぶる悪い。今更、傷の一つや二つ増えても誰も気にしない…という話は置いといて。 ここ最近、島内の街道で行商人や旅行者が襲われる事件が頻発している。城壁の外は実質無法地帯なので起きて当たり前の事件なのではありますが、騎士団は何ら手だてを講じていない。Varo's Knightの眼目はあくまでも伯爵家とその支持者である資産家の保護、庶民の安全は二の次三の次。少し前にVolen Harbentoが街の近郊に巣くったゴブリンの討伐を私に命じてきたが、あれはとりまきの若い娘たちに泣きつかれて渋々というのが本音だ。Volenを無能と誹るHelena Selectusもこの点では大差なく、人員を割いてまで巡回ガードを再開する気はナッシング。但し。 「詳しいことは私にも不明ですが…見て見ぬふりをすれば民意が離れますし、弱ったことに帝国軍に介入する口実を与えるかもしれない」 騎士団の関係者の口から駐留軍に対するスタンスを聞いたのは初めてだ。 「問題の一つは情報です。錯綜してます。過去にもああいった場所で偶発的な山賊被害はありましたが、最近の活動はより組織的ですね。まるで何者かが襲撃を計画したかのように」 「その根拠は?」 「誰もが襲われる、というわけではないのです。襲われた場合、生存者は逃げ隠れした者のみ」 「つまり?」 「そういうことです。いずれにせよ、彼らは何も見ていない。ですが、恐ろしさの余り見たくないという願望は誇大妄想を生む」 よって、情報は錯綜する。Helenaはそう結論づけた。 Windfallはさほど広い島ではないが、山賊連中の他、野生動物、アンデッド、死人使い、吸血鬼、更にはDaedraと群雄割拠。目撃証言は皆無、あるのが先走った噂のみではいずれの仕業か判断がつきかねる。 「何の情報もなく?」 「えぇ、その目で見なければ判らない。難しいことなのは承知しています」 犯人が誰だろうと構わないからブチ殺してこい。一足飛びに処刑とは随分とシンプルな命令だ。正体不明の街道襲撃事件なぞ些末な出来事、Helena女史は謀反人どもにネチネチと嫌がらせをするのに忙しいのだ。 騎士団は軍の介入を断固拒否する腹づもりだ。Vvardenfellとは違いWindfallは元から帝国の入植地。帝国アレルギーのDunmerたちならいざ知らず、同じ帝国人の彼らが何故そこまで本国を煙たがるのやら。 さすがは島一番の情報通、お女将のFrillia Maruviaは酔客の噂話から襲撃犯の目星を付けていた。 「噂はいろいろあるけどね。ま、どれも心配性の妄想かな。あぁ、一つだけこれはと思う話があるわ、単なる思いつき以上の」 「どんな?」 「少し前だけど、Redguardの女性がいたのよ。確か… Mirisaって名前だったかしら」 「Mirisa!」 懐かしい名が出てきたぞ。Goblinの生態に造詣が深い、ハンターのMirisa。旧友だ。私と入れ違いになったようだけど、彼女が来てたってことは。 「犯人はGoblin?」 「襲撃はGoblin流だって。彼女はGoblinの氏族がそこに巣を構えるつもりかもしれないって考えてた。ただ、また足りないものがあるそうよ。普通は彼らが神聖と崇める何か力を持つアイテムが運び込まれるとかなんとか」 「それってまさか…」 女将の話にギョっとなった。WindfallでGoblin戦争を始める気かと思ったら、神聖なアイテムは彼らのチャンピオン・フラッグ、ゴブ頭の杖ではないそうな。 「もっと重要なもの。その神聖な品がある限り、その地は安泰なんですって。それが無くなるとそこは呪われたと考えて寄りつかなくなる。ホントかどうか知らないけど」 「退治してそのアイテムを回収すれば万事解決か」 「ところがね、そう簡単にはいかないらしいわよ、彼女の話だと」 「?」 「Ruin、聞いてたの?」 「疑わしいな」 女将の話が終わるのを見計らい、ジョッキを抱えたArgonianが顔を出した。赤ら顔なので表面上は素面に見えるが、頭巾にアルコールが染み付いて臭う。騎士団、Righteous双方が建前とは別の理由で対立してると睨んだRuined-Tailは、宿に引き籠もって傍観を決め込んでいる。現状、私の仕事はパシリの域を出ないので相棒の出番もない。 …実は、Ruinの様子がおかしい。いえ、元々おかしな奴なんだが。ここ数日、彼は一歩たりと宿の外へ出ようとしないのだ。丸一日酒場の隅で盃を杯るだけ。ロクに寝てもいないらしい。 「昼真っから酒かっ喰らって何考えてるかと思えば…」 なるほど、また始まったのか。Ruined-Tailは時折、こうした己語りをしたがる。本人曰く、自分が正しい道を歩んでいるのかどうかの確認作業なんだそうだが、聞かされるほうは、聞けば聞くほど彼という人間が判らなくなる。 「俺は適切な選択したと思う。Tamrielに生きる者の一人として、“俺”が何になりたいのか。過去…あるいは今の社会が望むものよりも、自分が本当に望むものを選んだ。そしてだ、俺は俺のハートに俺自身を裁く基準を刻むことが出来たんだ」 「これは怒らないで聞いて欲しい。あ…いや、別に言う必要はないと思ってたんだが…だから、そんな嫌そうな目で見るな。ちゃんと理由があってのことだ。大抵の社会では印象と評価が全てだ。もし俺が社会に溶け込みたいと思ったら、俺がまっとなうな人間に“見える”必要がある。とはいえ、俺は世間の目を欺けるほど自分を飾る経験に欠けるので…」 「そうね、まっとうじゃないほうなら充分ありそう」 「ふむ」と彼は頷いた。自覚があるので嫌みも通じない。 「只一人の友人であり旅の仲間でもある君なら、俺の求める誤りのない判定を下してくれると思った」 「私が?」 「お前、俺が何者か知ろうとしたろ?会話や癖を通し、その奥底にあるものを判断しようとした」 「…」 「もしお前の知る俺が俺がなりたいと思う者の姿に合致するなら、その時こそ俺の試みは全て達成するのだと思う」 「はぁ?」 「俺は俺自身を納得させたいのさ、マシな人間になったとな」 悪の社会で育った自分は悪以外のなんたるかを知らない。よって他者(私)を利用した。そうRuinは白状した…が、怒る以前に何故にそういう結論になるのかさっぱり判らない。利用も何も、事実を振り返るなら私は荷物運びに彼を雇っただけと記憶しているのではありますが(OBLIVION日記MOD編その79参照)。互いの認識に差があるのか? 怪人ビア樽蜥蜴男の独演は続く。 「過去はどうあれ、俺は俺の思うやり方でTamrielにとって必要なことをやる。旨く行けば、俺は英雄、あるいはそれに類する者として記憶されるだろう」 「英雄になって歴史に名を残すのがそんなに大切なことなの?」 「…」 「捻くれ者の俺が自分がヒーローだなんて思うことはありそうもないが、それでも歴史がそう記憶してくれるなら満足してくたばれる。永遠に、過去ではなく自らの行いで記憶されたい。今日、俺が死ぬことになっているなら、人々に残る記憶は凶悪な過去だけだ。どうだ、理解出来たか?」 幸せな人生は望めないからせめて英雄として死にたい、全く持って理解不能な理屈だが…つまりは結局こういう話らしい。俺様は皆が英雄と見なすまで酒場で酔っぱらって過ごす。だからほっとけ。 ま、よろしいんじゃございません。猛毒の沼でも泳げるArgonianが急性アルコール中毒で死ぬことはなかろう。 Frilliaお奨めのOzkarは日がな一日、ビール片手に通りを眺めて過ごす優雅なご老人。ほぼ隠居中なれど故買屋で今も時折、島に潜伏する怪しげな連中と取引するために街道を使う。Ozkar老が印した場所は街から1時間ほど離れた洞窟だった。 道路端に骨を残した犠牲者が打ち捨てられていた。老人の話通り、周囲に所持品が散乱して襲撃現場と一目瞭然だった。地図に印された洞窟はすぐ脇、丘の向こう。Mirisaの説が正しければ、街道の一部が巣分けしたGoblinのテリトリーに入ってしまったことになるが… 「さて…どうしたものか」 「Ruinは…駄目ね」 一瞬、脳裏をビア樽蜥蜴の姿が過ぎったが打ち消す。Helena Selectusの命令は徹底排除、面倒事は考えずに洞窟内の敵を殲滅すべし。この方法だと他のGoblinグループがやってきて再び棲みつくのは防げないというのがMirisaの見解だ。彼女はもう一つ、恒久的な解決手段を提示した。それがFrilliaの語った面倒な話。 “神聖なアイテム”なるものを回収し、洞窟を呪われた地にする。但し、Goblinを全て退治してしまえばHelena案の結果と何も変わらない。そこで、アイテムの護り手であるWarlordを生き証人として残す。これで洞窟はGoblinの間で呪われた地と認識され、二度と寄りつかなくなる。 真っ暗な洞窟のあちこちで燃える焚き火や松明は軍団の野営地を彷彿とさせる。その幾つかは遙か彼方だ。しかも… 脚もとから伝わる不気味な感触を確かめる間もなく、橋代わりの板が崩れ落ちた。 無理、無理、無理。Warlordの数が多すぎる。このままじゃ箱一つ開ける度に大騒ぎ。やっぱ、間引きしないと探索どころじゃないわ。 出直すにしても洞窟の構造と敵の戦力ぐらいは把握しておきたい。 最下層は自然のプール。岩場が飛び石で水面に顔を覗かせる。 「うん、諦めよう」 悪いけどMirisaの案はボツ。狭い岩場の上をピッキングして廻るのは現実的じゃない。完璧な擬態呪文でもないとすぐバレる。 さてと、殲滅以外とりえる手段はなくなったが、それが出来ないから困ってるわけで。 …いや、そうでもないか。
by yamanobe26
| 2010-07-08 09:11
| Oblivion日記W
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