カテゴリ
ご注意 Simらし本編 Simらしスナップ Sims2使用素材 Fallout3日記 Index Fallout3日記 Oblivion日記 Index Oblivion日記本編 Oblivion日記外伝 Oblivion日記SI Oblivion日記MOD編 Oblivion日記W Skyrim日記 Index Skyrim日記 その他のジャンル
最新の記事
|
クエスト名「The Dungeons of Ivellon 8」
「あの扉の鍵だな」 「多分」 監獄には開かない扉が一つ残っている。鋼の番人の正面奧、隙間から血と得体の知れぬ気配が漏れ出る扉だ。開けてもロクな目に会わないと丸判りだが、悲しいかな冒険者の性。 「嫌な予感はするがな」 「お先にどうぞ」 「…」 しばし見つめ合い、“また盾代わりか”“エチケット”と心のやりとりをした後、Ruinはしぶしぶ鉄の扉に手をかけた。 「なんだこいつは!?」 ノシノシと現れたのは巨大な鉈を振りかざす赤いデブ。余りのインパクトに反応が遅れた。 赤鬼を強引に部屋へと押し戻した相棒を追い、慌てて飛び込んでみると。 「いやだってさ。こういうの何ていうんだっけ?万馬券?」 「金星だ、どうでもいいが。こいつも亡者なのか?」 「違うわね、アンデッドじゃない。“生き物”よ。死体の解体屋でしょ…亡者を掴まえてバラバラにしてたようだし」 部屋中血まみれで五体満足な体は一つもない。設備は人間の手になる品だから元はちゃんとした解体業者がいたはず。Ivellonは地獄逝きを拒んで地上に留まる亡者で溢れてる。そこで別な業者がやってきたのかもしれない。 「そう思うならとっとと修理してくれ」 強敵相手に連戦の結果、下半身を晒す変態Argonianはモジモジと盾で前を隠した。 物言わぬ鋼の番人の謎は解けたが、Stendarrの祭壇を使用する為に私たちはバラックへ戻った。死体の宝庫、聖堂は更なる数の亡者が襲い来る。頼れる武器が欲しい。 コイン100枚と手頃な片手剣を祭壇に収めてStendarrの像に祈ると、黒い小鬼の持っていた光る水晶が反応し、周囲の闇を吹き飛ばした。祝福された剣は見違えるような輝きと神秘を発散した。 「俺か?君が使うんじゃないのか?」 勿論、最初は自分で使う気でいたが、剣を調べてるうちに気が変わった。 驚くべきことに、Stendarrの祭壇はインスタント聖剣製造器。祝福された武器は魔力補給の必要がない、恒常的に威力を発揮する“神器”となる。何度振ろうがジェムを使わずに済むのだから、リチャージのやり方も知らないエセ戦闘魔術師Ruined-Tailに渡すのがベター。 Ivellonの崩壊は天恵だ。帝国人にこんな武器を無尽蔵に与えたら…聖剣が標準装備の軍団なぞ想像するだに怖ろしい、あぁ怖ろしい。 敵の中に奇妙な薬を持ち歩いている者がいる。生前が魔術師と思しき連中だが。何の役に立つのか知らねど、効果は知力低下。怪しい品は何でもゲットが冒険者。持つのは歩く荷袋、Ruined-Tail。 吹き抜けの中央大広間を中心に一階は南、南西、西、北と通路が伸びているので、南からぐるり時計回りで攻略を開始した。南は比較的狭い玄室が一つあるのみ。次の南西の通路で収穫が二つあった。 “あぁ!そこのアンタ!俺を助けてくれ!俺はIvan、前はここの鍛冶屋をやってた。殺されて、体はバラバラ、聖堂のあちこちに仕舞い込まれてちまったんだ。頼む、パーツを探し出してまた一つに集めてくれ。それで俺は安息を得られる” 箱の中身はIvanと名乗る男が言った通りの骨、骨盤。この手の頼み事がどんな結果を招くのか。大体予想はつく、人のいい私でも。他人を信用する習慣のないRuinなぞは初っぱなから声を無視してる。 「聞こえた?」 改めて問うと相棒は溜息をついた。 「集める気か?」 「いいじゃない。余興よ。また計算を持ち出す?無駄なことだって」 「…それはもういい。諦めた。ただ、一つ聞いておきたい」 「何を?」 「君がいったい何処までお人好しなのか」 「む」 日に一回はやらないと気が済まないRuined-Tailのセラピーコーナーのお時間です。 例えばだが、と前置きして始まった今回の深淵なる問いはモラルに関して。 「帝国軍だって警告ぐらいするでしょう。問答無用で殺せっていうの?」 そうならこのShadowscaleにだって初対面で蹴りを入れてる。 「いや、君がそうしなければ失望するだろうな」 「どっちなのよ?」 「それが最善だとしてもだ。多くの敵は他人の好意なぞ無視して襲ってくる。彼らはいつも俺たちを待ち伏せる。斬り殺そうと間近の物影から襲うんだ。もし立場が変わって、俺たちが連中でも同じことをするのかと思ってな」 「しないわよ。坊さんじゃあるまいに」 「ふむ、こういうことか。敵が手段を選ばんのなら、やはり俺たちも同じやり方を使う。俺が思うに、確実に勝つ為の手段を講じるのは不名誉なことではない。少々のズルは構わん、どうせすぐに忘れる。だが、死んだらそれまでだ。死神の手が届かぬよう、モラルより知性を選択する人間を味方にしたと判って安心したよ。行こう」 現実はグレーだと言ってるわりに白黒つけたがる不思議な男、Ruined-Tail。そっちの性分のほうがよほど判らん。まぁ、やる気のあるなしに関わらず、砦内を彷徨いてれば自然、探し物が目につく。早々、すぐ奧で骨盤に続いて右手に遭遇した。 皿盛りの骨を取り上げながら相棒がぼやいた。 「冗談ならいいんだけどね」 「…」 口にはしないものの、私も…そしてRuinにも、Ivellonが滅んだ本当の理由が何であるか、見当がついている。脳裏にそのおぞましい光景が浮かんだか、彼はそそくさと骨を荷袋に放り込んだ。 これがまたエライ骨董品で読むのに四苦八苦。 「“The Scepter of the…Mu…”いや、“Ancestors”か」 「“先人のメイス”?」 「ところどころ読めん、どうやら先祖の霊を使った武器らしいが…」 「死霊術の武器?」 「いや。俺は詳しくないが、少し違うようだ…“古の、強力なアーティファクト、死者の力を紡ぎ、所持者に与える”とある」 「先祖の霊たちから力を借りて使う!?Dunmerの魔法だわ。何処?何処にあるの!?」 「そう興奮するな…“戦いで使用するには…運命により選ばれた所持者が…予め”…むぅ」 目を凝らして書面を読むRuinの表情が一段と険しくなった。 「どうしたの?」 「すぐには手に入らん。入手には儀式が必要だ。Blood Grassが20束、Nirnrootが10本、魔法の付加されていないDaedra防具フルセット、15個のVarla StoneをMaraの祭壇に捧げる。この砦で全て揃えることは出来んだろ。それに…リスクがあるな。魂の一部を差し出せ、危険とも書かれてる」 「う…」 ようやくお宝に巡り会えたと思いきや。Ivellonの埋まる山頂付近に遺跡や洞窟の類は皆無。Nirnrootが生える水辺となるとスタート地点のCanulus湖まで逆戻り、それが十本となるともう下山するしかない。くそぉ。 気を取り直して広間へ戻り、西と北の通路へ向かった。西はスカだったが、北通路は奇妙なドームに繋がっていた。 一階の探索を終え、続いて二階へ。吹き抜けの中央広間を囲む欄干沿いに今度は東から反時計回りにスタート。 東の通路、階段を降りると出迎えたのは亡者の廃墟に一番似つかわしくない女神。とうに彼女の加護は死んでいる。罪深きIvellon、神に見放されし呪われた砦。 “The Scepter of the Ancestors”の入手にMaraの祭壇を使う。材料が揃わない以上、後回しだ。 「見せろ」 Ruinはしゃがみ込み、祭壇脇の壁に貼り付いたホコリまみれのプレートを丹念に指でなぞっていった。 「読める?」 「“智者が諦め去る場所で…愚者は馬鹿正直に我が道を行く”…そこの発光石の入手法か」 「何よ、また謎々?」 読み終わると再び鉄柵の前に立ち、彼は奧を覗きこんだ。 「謎々は嫌いなんじゃないの?」 「誰がそんなことを言った。俺はセンスのない謎かけが嫌いなだけだ」 「センス?」 「その碑文には深い知性を感じる」 「はぁ?」 「…智者が諦め、愚者が進む…知恵のある者と知恵の無き者…」 何処に深い知性とやらを感じるのか余人には理解できないが、本人は満足げに謎解きを始めた。腕組みして修行僧の如く黙々と真言を唱えていたかと思うと時折クククと奇怪な声を漏らし、プレートの貼り付いた壁をコツコツと叩いて回る。はっきり言って不気味だ。 「こいつは馬鹿の壁だ」
by yamanobe26
| 2008-11-05 18:40
| Oblivion日記MOD編
|
ファン申請 |
||