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クエスト名「Everything In Its Place」
New Sheothへの帰還途中で村を見つけた。 Fellmoorだ。大きく抉れて内海を作る島の南西部にある。Dementiaサイドの探索では外海側をまわったので見落としていた。 桟橋を渡っていくと住人が一人反対側からやってきた。Altmerの女だ。 「急いで下さる。私は農場で忙しくて。畑は自分を耕してくれないの、でしょう?」 まっとうな笑顔で挨拶する彼女の名はCindanwe。随分と変わった女だ。 「ここは貴女の村?」 「私たちは農家よ。それ以上でもそれ以下でもない。つまりね、どうやったらあの怠けものたちにちゃんと一日分の仕事をさせることが出来るってかってこと」 「怠け者?」 「Relanはこの辺りでは酷評に値する只一人の人間ね。害虫退治が好きってだけなのだけれど。Kishashiは何をしでかすのかしら。彼女の問題はその動機よ。貴女、マインドゲームする?彼女と一緒に。Ranarr-Joはするべき仕事を同じぐらいやらない。彼はいつもなんでもひっくり返して裏を見るの。そしてWho-Knows-Whatを探してる。悪い働き手ではないわよ、モノをちゃんと見えてるときはね。でも大体は非生産的な何かをやってるわ」 Cindanweは、それじゃと笑顔でキノコ畑を見回りに向かった。 …ホントに変わってる。Cindanweの舌はクセがない。まるで正常だ。 橋を渡りきると住人が一人立っていた。こちらは見るからに眼がイってるKhajiit。マインドゲームの女、Kishashi。 「もしかするとアンタがその人かい?うんにゃ、違うわね…気にしないで、でもまだきっと…」 「?」 「Ranarr-Joにはヒーローが必要なのよ、まだアンタがその人かは確信が持てない。先に彼の信頼を得なくちゃね。まだアタシはアンタを信用してないのに、どうして彼がアンタを信用すると思う?悪いんだけど、仕事があるの。私はPodの種が五ついるんだ」 「あそこに浮いてるやつ?」 「畑みたいだろ、どう?でもこうも思えない?真実は語る、この植物は怪物。眠っている…水の中で。怖ろしい夢だよ、ある日こいつらが立ち上がり、私たちとShivering島を全部平らげるんだよぉ!出てお行き、それが出来るうちにね」 …なるほど、マインドゲームか。 彼女の言ってることはチンプンカンプンだ。分かるのは彼女がPodの種が五つ必要だってことだけ。 「お節介を焼きにきたな?だが、何故お前を信用しなくてはならん?…お前かもしれんが…そうだな…その一人かもしれん」 Kishashiと同じだ。一体この二人は何を言ってるんだろ。 「俺たちの状況は絶望的だ。あの女は俺たちの心をコントロールしている…いやまて、話しすぎたか。Kishashiと話せ、彼女が信じるなら、俺もお前を信よう」 Ranarr-Joは猜疑心の強い男で、Kishashiの信用を得ろと伝えて黙した。 あの女…KishashiでないとするとCindanweのことかしら。 Kishashiは労働に汗を流すRanarr-Joを尻目に暇そうにしてる。働く気がない。 「…」 「地に種蒔くことなく、私らの血と涙を吸ってSheogorathが生まれた。今じゃこの様さ。Cindanweの、クソアマの奴隷として生きてる!」 「Cindanweが?」 「管理人、そうさ。私らを奴隷のように扱う。私が奴隷に見える?違うわ。私は女王!Shivering島の正統な主よ!」 彼女はブツブツとその日のうちにPodの種が五つ必要と繰り返した。 …なんとなく分かってきたな。 このカップルは猜疑心が強く空想癖がある。彼女たちの頭の中ではこうなってる。CindanweはKishashiとRanarr-Joを奴隷のように扱う主で、二人は解放してくれるヒーローを夢見ており、そこに登場したのが私だ。実際のところCindanweはただ畑を見回って二人にちゃんと働くように注意してるだけ。体罰を与えるわけでも目くじら立てて怒るわけでもない。ただの被害妄想だ。 畑から種が五つを採取してKishashiに渡してみた。 「なんて親切なの!私が然るべき地位に戻った時、アンタには雲の宮殿をあげる…あら、雲で出来た宮殿だったかしら?どっちでもいい。青空の一部はアンタのものよ」 「これで信用して貰える?」 「いいわよ。そうね、彼も信じるでしょ。このスプーンを渡して。その意味は彼が知ってる」 「スプーン?」 「昔、このスプーンでミノタウロスを倒したことがある。これはね、強力なDaedra遺物なの!」 「…」 ふ~ん、この島の住人は変わり者だらけだけど彼女は飛び抜けてる。Daedra遺物のスプーンときたか。確かにDaedra遺物のフォークは存在する。Sheogorathが所有してるはずだ。それにしたって嫌がらせにしかならない品だ。Kishashiがよこしたスプーンはホントに只のスプーン。使い古しの…ん!New SheothのBliss地区に住んでるBig Headって、そうか…あの世捨て人のBig Headか。戻ったら確かめてみよう。 スプーンを渡すRanarr-Joは仕事を終え、家に鍵をかけて閉じこもってしまった。出てくるのを待つことにして、隣の家にお邪魔してみた。もう一人の住人、害虫駆除が趣味のRelanの家。 部屋中血と髑髏だらけじゃない。もぎ取られた腕や肉片のこびり付いた肋も落ちてる。 「…Relan…殺す者…狩りをする者。…この土地と農場をCindanweの為にクリーンにしておく者」 家主Relanは瞳の奥で怪しい光を湛え、薄笑いと寝言で語るかのような口調で挨拶してきた。 「…害虫駆除をしろ。作物をばっちいばっちい歯で食い荒らし…奪う人間とモノを駆除しろ。もっと歯が欲しい…大きな歯だ…手や脚に。奴らが俺たちを食う前に奴らを食いたい」 「Cindanweの為?」 「…Cindanweはタフな女だと思ってる。…Relanとは違う…彼女は正気だ。…彼女はRelanに死ななくてはいけないものを殺させる。…Relanは頭を食いちぎるのが好きなのさ」 「KishashiとRanarr-Joは?」 突然、Relanの口調が暗い狂気を孕んで変わった。 「あの女は嘘つきだよ。ミノタウロスをスプーンで殺したと言ってやればいい。ハァ!Ranarr-Jo、奴は誰も信用しない。その嘘つき以外は。何故かな?変わった連中だ。良き隣人ではない。奴はいつも肩越しに見てる。いつか奴の頭をねじ曲げてやろう、奴の為だ。それで背中を見るのが楽になる、ハハハハ!!!」 こいつ…Dark Brotherhoodどころじゃない。正真正銘の殺人鬼だ。 ここはものの見事に狂人の村だ。島全体が狂気に犯されてるとはいえ、ここまでキてる人間はお目にかかってない。…何故そんな場所にマトモなCindanweがいるのかしら。 真夜中にこそこそと出てきてたRanarr-Joは、Cindanweの家の軒下に身を潜めた…? Ranarr-Joは驚きもせず、低い籠もった声で返してきた。 「…Kishashiとは話したか?彼女が信用しないなら俺はお前を信用しない。これはお前がどうだとかってことじゃない、本当だ。皆が俺を捕まえようとするのは当たり前だからな」 「狙われてるの?」 「お前がYou-Know-Whoの為に俺を見張ってるとしても俺は驚かねぇぜ」 “なんでもひっくり返して裏を見る”…ね。Ranarr-Joはハードボイルド症候群、“世界は陰謀に満ちている”派だ。 「スプーン」 「そいつを見せろ。ここに出せ」 Kishashiから与ったスプーンを見せると、Ranarr-Joはすかさずひったくって凄んできた。 「これをどこで手に入れた!?これはKishashiのものだろう!Cindanweめ、これを盗ませたか!?どうやってKishashiから奪った!?」 「いや、Kishashiがあなたに渡せば分かるって!」 「あぁ?じゃ、彼女はホントにお前を信用したのか。…いやまて、まだ認めるな。念には念をだ。CindanweはマイスイートKishashiを虐めようとしている。このスプーンから彼女の手を奪わせるわけにはいかん」 …何を言ってるんだ。 「Cindanweは何の関係もないわよ」 「ふん、お前を信用しよう。お前はスプーンを持ってきた…Cindanweは真に悪だ。是が非でも止めねばならん。だが、彼女は俺たち全員の全てを知っていて、全てノートに付けている。あらゆる全てをだ!!」 「ノート?」 「あの女は俺たちについて沢山のこと、俺たちの心を読める限りのことを知っている。だが、まだお前のことは知るまい。故にお前がやらねばならぬ。彼女を追い出せ。Cindanweを始末しろ!」 「始末?」 「そうだ、確実な方法があるだろう。だが…それを俺たちには見せるな。Sheogorathの目と耳は無数にある。あるいは彼女を俺たちに関心がなくなるほど惨めな人生に変えてやれ。彼女はあらゆるものを必要としている、“文字通り”に。そうだ、彼女の家に忍び込んで部屋を滅茶苦茶にしてやるんだ!」 やれやれ、とどのつまりはそれが望みか。 「そしてノートを“押収”しろ。彼女はどこに行くにも持ち歩き、俺たちが秘密にしてる考えを記録している。俺はその本が必要だ!俺の考えは俺自身のものだ!」 Ranarr-JoはどうやらKishashiを護る為にCindanweの家を見張っていたらしい。来たときと同じく自宅へこそこそと引き返して行った。 …Cindanweは心を読む。狂人の戯言だとは思うけど。 近くに稼働してるオベリスクがある!? ヘラヘラと笑って見ていたKishashiも一発貰って正気に戻ったか、悲鳴を挙げて逃げ帰った。残りの二人は見あたらない。避難してくれてるといいんだけど。 現実は過酷だ。想像を豊かに膨らませる必要もなく、こうしてこの世界は終末を向かえようとしてる。You-Know-Whoなんて探さなくても、ある日突然水晶の騎士たちが現れてバッサリ斬り殺していくのだ。妄想に怯えるより先に怖れなくてはならないものがある。あのカップルにも少しは自覚して欲しいところだけど。 Cindanweの家に上がると、多少傷を負ってはいたが彼女も元気だった。回復魔法をかけながらそれとなく尋ねてみた。 「ノート付けてるんですってね?」 「個人的な日記よ。毎日付けてるの。日に何度かつけることも時々ある。そうしないと駄目なのね。頭がグチャグチャになってしまうから」 狂気の世界だ。さもありなん。日記を見せて貰えないかと頼んでみたが、彼女はガンとして断ってきた。金を積んでも駄目。まぁ、立派な心掛けですこと。そこまで拒否られると何がなんでも見たくなるのが人情だ。 この世には魔法って便利なものがあるし。 「ええ、ちょこっと見せて貰うだけよ」 呪文で魅了して無理矢理ノートをゲット。道義的には問題があるけど、魔術師にそれを言っても無駄。暖簾に腕押し、糠に釘、釈迦に説法はちょと違う。 魔法の解けないニコニコ顔のCindanweを前に日記を開いてみた。 なになに… “太陽が私の緑草を聞く。でもどこで月は不機嫌になったのかしら?空に子供はいない、そして大地はストロベリーを食べる。でも、何故虫は苦い鉛の味がするの?” …え? “皆が胞子を失った。または胞子が皆をむさぼり食べて、後には何も残ってない。それとも全てが私たちの中にあり、でも私たちは石の中を泳いでると気づく。奇妙なものがある場所で、自らの外に落ちていくのを知る。おのおのから放置されて” な、なんだこれ! 日記は理解不能な文章が延々と続いてる。まさか… “太陽は常に動いている。私は仕事に戻らなくてはならない。私は私が私の考えを表現するこの場を得たことをありがたく思う。彼らが私のように喪失し、混乱することがないように(私はけして他人にそれをみせないけれど…彼らは私が全てをコントロールしてると思うでしょうね)” …Cindanwe。あなたも狂ってたのね。
by yamanobe26
| 2007-06-07 18:04
| Oblivion日記SI
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