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本日付けのBlack Forse Courier増刊号によると、先頃、Brumaの地元名士である老貴族Baenlin卿が自宅で死亡した。下男のGromm氏の聴取で、椅子の上で休息中のBaenlin卿を、運悪く落ちてきたミノタウロスの剥製が直撃したことが判明。Black Forse Courierの独自調査では、現在Brumaの住宅事情は老朽化が進んでいて、似たような事故が多発しているとのこと。主を失ったBaenlin邸は甥のCaenlin氏が相続し、即刻入居中。氏は叔父に対し剥製の頭の持つ危険性について再三警告していたが、Baenlin卿は聞き届けなかったと語っている。 依頼人は身内。どーりで家の事情に詳しかったわけだわ。 結局はVicente Valtieriの崇高な講釈に反して手垢まみれの醜い仕事。暗殺教団なんて名乗っていても、そこらの野盗、山賊とやってることは大差ない。やはりMorag Tonみたいにはいかない。この先も小汚い仕事が待ってるか。 クエスト名「Scheduled For Execution」 私は帝都に来ている。 Vicente Valtieriの斡旋する次なる仕事の舞台は、驚き桃の木山椒の木、懐かしの帝国刑務所。 「いいわよ」 「毎度のことですが、貴女は私を失望させませんね。ターゲットはValen Drethという名のDark Elfです。彼は牢獄を安全だと思ってる。悲劇的なほど間違ってますが」 ターゲットは囚人で帝国刑務所に服役中ねぇ。 …Dark Elf?ひょっとしてあいつか? 「ある囚人が近頃、帝都の下水施設に繋がった秘密のトンネル群を使って牢を抜け出しました。中に入るには最適な方法では」 まさか… 「…運のいい奴がいたものね」 「…刑務所のすぐ外に下水道に繋がる鉄格子があります。最近、厳重に錠がされましたが、私が鍵を提供しましょう」 鍵を取り出してきたVicente Valtieriは突然相好を崩した。 「Drethのところに行くのは容易いでしょう?加えて貴女はその道をご存じでしょうし、クヒ、ヒッヒッヒヒヒ!」 なに! こいつ…どうして知ってる? Vicente Valtieriはひとしきり下司に笑ったあと、冗談だとばかりに表情を戻し続けた。 「 Valen Drethは長年収監されてきました。彼は饒舌ではありますが、身体のほうはヨボヨボで脆い。彼は簡単に教えてくれますよ、愉快な殺しを」 「…」 「もし、番人を誰も殺さなければ、ボーナスを受け取れます。ではおいきなさい。Night Motherが伴にあらんことを」 相づちも打たず、鍵をひったくって部屋を出た。 ち、Vicente Valtieriの奴。伊達や酔狂で長年吸血鬼やってるわけじゃないか。 血の上った頭を鎮めて、恒例“家族”のアドバイスを求めに廻った。 あの刑務所について私より詳しい人間がここにいるとは思えないけど。 今日も今日とて、Gogronは木偶をなぶり者にせんと斧を振り上げ中。 「帝国の刑務所に侵入とは穏やかじゃねぇな。あの番人どもは重装甲のプロだ。見つかったら馬鹿は止めとけ。逃げな!」 「帝国軍を敵に回す気はない」 こちらの気のない返事にそうかと手を休め、下卑た笑いを浮かべて後ろを眺めやる。 「あのな、俺はお話を語るのは苦手だが、オレ様とTelaendrilのことは別だ…いいな。信じられんか、俺を?オレ様が持ってる彼女の下着が証明してるぞ!ぬぁはははは!」 …このOrc男はとことん下品。 ホントにこの二人って出来てるのかしらね? 「その囚人に、なんで逃げ出したり反撃する機会をやらなくちゃいけないの?弓で牢獄の鉄格子越しに心臓を撃ち抜いちゃえばいいじゃない。手早く簡単だわ」 「私は魔術師よ」 弓使いに長けた魔術師なんて珍品も探せばいるのかもしれないけど。 「帝国刑務所!」 Antoinetta Marieは酷く驚いて、眼を背けた。 「…ずっとね、惨めに過ごしてた、まだ子供だったころ、Brotherhoodが私を見つけるまえ。番人は強くて惨い。そう、ホントに惨いんだよ…」 「…そう」 あー、よくない傾向だわ。 他の連中はともかく、彼女には同情的になって来てるのが自分でも分かる。 Teinaavaとそれに珍しくOcheevaも深刻な表情を浮かべた。 「その下水道はよく知ってる。そこなら牢屋に近づけるだろうが、何尾かおぞましい怪物が棲んでる。慎重に行け」 「300年以上、闇の兄弟姉妹、誰も帝国刑務所に潜入出来た者はいない。これは厳しい試練になるわね」 …それが意外と容易かったりするんだけどね。平和ボケの帝国はどこもかしこも緩んでる。帝都の真下を怪物やゴロツキが徘徊してるのは、そもそも軍がまともに警備なんかしてないからだ。 ま、問題はない。 皇帝が使う予定だったのはBladesの秘密ルートだが、それ以外にも下水道と帝都地下の遺跡はあちこちで繋がってる。それはAlessiaの反乱で奴隷たちがトンネルを掘りまくって壁をブチ抜いたおかげ。以前の脱獄の際、私は皇帝一派に置いてかれて一人別なルートを移動したが、結局は途中で合流してる。帝都の地下がどうなってるかなんて、正確に把握してる人間は誰もいないだろうな。 さてと。この辺りから刑務所の敷地だと思ったけど…ん? 話し声? 「別に意見してるわけじゃないさ、信じろ。あの暗殺者たちは目的を達した。皇帝陛下は亡くなられた。連中に戻る理由はないはずだ」 「俺の言い分と変わらんだろ!あの隊長が聞く耳を持つか?“我々が必要だ!”“囚人は閉じこめておかねばならん!”ああ、笑えるぜ、まったく。俺たちは誰の安全を守ってるんだ?Drethか?一人逃げ出して以来、ここは彼奴一人が腐ってくだけだぞ」 「まぁ、そうだな。それほどMontrose隊長を非難出来るとは思わんが。結局のところ、これは彼の点数稼ぎだ。上層部にいい印象を与えたい」 「そうだろうさ。あ~あ、ガードに戻れれば最高なんだがなぁ。おい、忘れんなよ、後でBloated Floatで…」 長々とくっちゃべっていた番兵たちはそれぞれに立ち去った。 Dreth。やっぱり彼奴だな。出所してきたら殴ってやろうと思ってたけど。 確かに囚人一人見張るのに人数をかける必要はないわね。 …ははぁ、なるほど。 軍は皇帝暗殺の真相を知らされてなかったっけ。少し寄り道してみるか。 隊長はボンヤリ椅子に腰掛けてまんじりともしない。テーブルにお馴染みの赤い法衣。張り出しに死体が一つ。そしてその足下にノート。 “これまで、控えめに言っても調査は難航している。暗殺者の死体から組織の手掛かりは見つかっていない。皇帝暗殺の動機すら確定することが出来ない。地元の商人にその特徴ある衣装について問い合わせたが完全に行き詰まった。 襲撃の特徴、複数の暗殺者、儀礼的な法衣、武器及び鎧の召喚…それら全てが慣習的な何かを示している。Dark Brotherhoodの手法は記憶しておく必要がないほど見てきたが、彼らの通常の類型とは合致しない。それが悩ませる。我々は未知を相手に手を拱いてる。そして私にはお手上げだ。 Captain Gepard Montrose 追伸…残りの暗殺者の体は下水道に投棄を命じた。ケダモノの餌になるがいい。それでも奴らには身に余る” 報告書の下書きかしら。 可哀想に。何をどう調べても無駄だわ。 当初、軍の中には皇帝暗殺の責任はBladesのヘマだする向きもあったが、殺害現場は自分たちが管轄する刑務所内。暗殺者に侵入された責任は言い逃れ出来ない。すでに事件の事後処理が終わってるから、ここに配置されてる兵隊は職務怠慢ではないというポーズなんだろう。 …ふん。 それももう終わりってことね。観客のいない舞台の幕を上げておく必要はない。どっかの誰かさんはとっとと幕を降ろしたいってわけだ。 懐かしの独房。 ん、また話し声が聞こえる。今度は番兵と件のValen Dreth本人だ。 「認めるのは癪だが、寂しくなるぜ、Dreth。真夜中の馬鹿騒ぎ、助けを求めるお前のすすり泣きがなぁ」 「クソ犬がぁ!俺はここから出てくって言ったよなぁ!刑期満了だ、もうお前はどうすることも出来ないんだよ!」 「ああ、そうだ。どれぐらい経つかな?七年、八年か?長い付き合いだったな、俺とお前。いつか終わりがくるのは分かってたぜ」 「十一年だよ!このネズミのたかる穴蔵に十一年だ!だが、俺が出て行ってもお前はここに繋がれたまま!ギャハハハハ!」 「そうかよ。で、どこに行く気だ?ん?何をやる?お前は外じゃやってけない。キサマはケダモノだ。檻の中がお似合いのな」 「Sumersetのビーチでお前の女房と寝そべりながら思い出してやらぁ、帝国の豚め!」 「いい考えだ。お前は金持ちになるんだっけな、確か。ああ、王様になるんだっけ?俺が何考えてるか分かるか?Drethよ。お前は戻ってくる。お前のような輩は必ず戻ってくるんだ…」 「見てろよ、犬っころ!ここを出たら俺はTamrielの有名人だよ!Valen Dreth様万歳だよ!」 「わかった、わかった。黙ってくれるなら、今すぐにでも出してやりたいぐらいだよ…」 …不毛な会話。 たいして時間が経ってるわけでもないのに、もうずっと前のような気がする。皇帝に出会って、お守りを託されて、そして…Martin。 感傷は早い、私の旅はまだ終わらない。 「あんた、俺をここから出してくれ!こっちだ、扉を開けてくれ!」 番兵が去った後、向かいの独房を覗くとそこに時間が止まったままの男がいた。 何やら喚いてるが放って廊下の奥へ向かった。番兵は詰め所にはおらず、オフィスに上がったらしい。牢屋はDreth一人がいるだけ。 ターゲットを始末してこっそり消えるつもりだったけど、やめだ。 鍵を取って独房に戻るとValen Drethは鉄格子越しに訝しげな顔を晒した。気づいたようね。 「待った、お前知ってるぞ…お前…あん時の女!皇帝が殺された日の!牢を出て行った!運のいい売女!だが…戻ってきた?」 「…」 「頼む、あんた助けてくれよ!老いぼれValenを牢から出してくれ!あんたは自由を手に入れた、今度は俺の番だ!」 「…」 「何か言えよ、おい、頼むぜ、ねーちゃん」 本当に運のない男。 「…って言ったわね。これで二度目よ。三度目はない」 忘れもしない。あの日も収監された私を、このDunmerは淫売呼ばわりして口汚く罵った。 「Night Motherからの伝言」 「Night Mo…」 「“さよなら”」 死刑宣告に青い顔が更に青ざめる。 「嫌だ!やめろ!番兵!番兵ぇ!助けてくれぇ!誰かぁ!殺し屋だ!」 誰も来やしないわ。みんなあんたに死んで貰いたがってるんだから。 いくら騒いでも助けは来ないのでValenは切れた。 「てめぇ、俺をナメんじゃねぇ、Valen Dreth様を!俺をこっから出せ!このトカゲの糞がぁ!」 「そんなに出たい?いいわよ」 「ありがとう、助かったわ」 「光栄であります、勇者どの。何かお手伝い出来ることは?」 「後始末、よろしく」 帝国の名士を牢獄で襲った受刑者が裁判を待たずに刑を執行されただけ。いろいろ不思議なことがあるでしょうけど、片づいた事件を気に病む人間はいない。十一年も投獄されてた囚人なんぞ最初からいなかったも同じだ。 殺し屋には分不相応な名誉でも、私がそう呼んでくれと頼んでるわけじゃなし。 この国の法律では手を出したほうが有罪になる。そのありがたい帝国法のおかげで、お隣のMorrowindでは敵を始末するのにこの手の手段が常とうになっている。昔、母様が似たような手口でCamonna Tongのチンピラ数人を血祭りに上げた。その時の依頼人は駐留帝国軍の基地司令だったそうだけど、さて、今回は誰だったのかしら。
by yamanobe26
| 2007-03-01 17:23
| Oblivion日記外伝
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