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クエスト名「Zero Visibility」
「…であるからして、魔術による戦闘は一撃必殺が基本だ。盾と鎧に身を包んで地道に呪文で削る戦法が好みなら、悪いことは言わない、今すぐ大学を辞めて戦士ギルドの門を叩くことを薦めるわ。では、次に効率的な呪文の作成について。これは必殺の呪文を作るにあたっても基礎になる。あたりまえの話をするとダメージ値が高ければ高いほど必要Magickaは高くなる。DestructionスキルがマスターのFire Damageの上限値を100とすると、これに必要なMagickaは81だ。ところが、これをFire Damage50+Shock Damage50にして総計100にすると必要Magickaは67にまで低下し、しかもエキスパートレベルでも詠唱が可能になる。これに発動時間を加味するとMagicka消費は更に低下する。Fire Damage25+Shock Damage25を2秒継続で総計100にしてやると必要なMagickaはたったの55で収まる。つまり、単一の魔法で膨大な破壊力を確保するより2種の魔法の組み合わせと遅延型の呪文を作成するほうがより効率的だと分かるかしら?これを基本に、更にMagicka消費の低いDrain Healthを組み合わせることで威力を上乗せすれば、より少ないMagickaで高い攻撃力を手にすることが出来る。本日の講義はここまで。次回は魔術師の装備、魔法装備についてよ。以上、ご静聴ありがとう。起立」 AtatarでModryn Oreynと分かれた後、私は帝都に滞在している。 すっかりご無沙汰なアリーナ通いをしたり、大学に顔を出したり、6号の強化呪文と新しい武器の制作をしたり。いくら冒険者稼業が好きでも、始終揉め事ばかり追いかけてると人間がギスギスしてくる。洗濯が必要なのは服だけじゃない。 訓練をかねて水上を走り回っていたときにそれを見つけた。 帝都の北の対岸、崖の中腹の砦跡だ。あまり北側のほうはこないせいか、今まで気づかなかった。と言うか対岸からは何故か見えなかっただけなんだが。ま、せっかくだから地図にマークしとこうと思って急な斜面を登っていったときの事。 なんだ?何かいるぞ? 獣の鳴き声と草をかき分ける音が迫ってくる。 「6号!」 6号は召喚と同時に戦闘モードに入った。敵は不可視の呪文を使ってる。あたりまえのごとく魔術師だと予想したんだが、6号の一撃でふっとんだ相手を見て驚いた。ネズミに熊? 調べてみたが、本当にただのネズミにただの熊。この子たちに魔法が使えるわけないから、どっかの誰かが不可視呪文を掛けた事になる。一応可能ではあるけど、人騒がせな悪戯する奴がいるなぁ。犯人は砦の中かしら。 ふむ、この野良たちがあんな悪戯したのかしら?砦の中に透明化された怪物はいなかった。ちょっと気になるわね。 砦の上、Red Ring Road沿いにAleswellという村がある。この村、何時通っても全く人影がない。おおかた廃村だろうとずっと通りすぎてたんだが、ある日妙なことに気づいた。何故か畑がちゃんと収穫できる状態になってる。つまり人の手が入っているわけだ。村の近くに他に集落はないので妙だとは思ってたんだが、いつのまにやら忘れてしまっていた。 …透明な獣か。ひょっとするとひょっとするわね。行ってみましょう。 斜面を登ってAleswellを訪ねる途中、やはり姿の見えない獣に襲われた。今度はライオンだったが。 それだけ吐き捨てて、掻き手のいない鍬が黙々と作業を繰り返している。鍬が喋るわけない。つまりここは廃村ではなく、ちゃんと人が住んでる。住民はその姿が見えないだけ。試しに鍬の持ち主を解呪してみたが術は解けなかった。只の透明化の呪文ではないか。やらかしたのはどっかの魔術師らしい。 村の様子を調べて回ってると虚空から話しかけられた。姿の見えない宿の主人Diram Serethiだそう。 「あのぉ~よろしいでしょうか?貴女のお手を借りることができるとありがたい問題が少々ありまして。何故私を見ることが出来ないのか疑問をお持ちでしょうね。いや、我々全員、同じことを不思議に思ってるんですよ」 「何があったの?」 「Aleswellの者は皆、何週間か前に突然姿が見えなくなりました。まぁ、最初は楽しめる部類のものでしたけど、目新しさも徐々に失われていくのが常でございます」 ふむ。長時間となると別だが、透明化なんて初歩の魔術だ。姿を消すだけなら魔法装備で恒久的に消えてるのも可能だし。もっとも、見えないということにさほど益があるとは思わない。昔、魔術師を怒らせて恒久透明の呪いを掛けられ、散々な目に会った商人の息子の話を聞いたことがある。幽霊と間違えられるわ、人混みで踏みまくられてボロボロになるわ、挙げ句のはてに父親は息子が死んだと思いこんだそうな。笑えない話だわ。 Diram Seretもその商人の息子と似たような状況らしい。幽霊が出るなんて評判がついた日には商売あがったりだそう。そりゃそうだわよねぇ。 「それでも私たちは皆じっと我慢してきたんです、時間切れになることに希望を持って。でも忍耐も限界です。これはAncotarの仕業に違いないのですが、私たちには彼を見つけることが出来ません。もし貴女が助けて頂けるのなら、私たちはとても感謝いたします」 「Ancotarって、誰?」 「2年ほど前からFort Caractacusの廃墟に住み着きはじめた魔術師です。奇妙な実験ばかりして、これほどひどいものではありませんでしたけど、私たちとトラブル続きでした。彼を見つけようとしたんですが、運が悪いんですかねぇ。彼がまだ砦に住んでるなら、私たちと同じ理屈で隠れてるのではないかと」 「つまり、彼も姿を消してるって言うのね」 私は再び崖下の砦跡、Fort Caractacusに降りた。2階からなんかわめき声が聞こえる。生命探査の呪文で周囲を調べると、さっきは誰もいなかった住居に人影があった。Ancotarだ。 「ええ、私は新しい不可視の呪文に取り組んでます。見ての通り働きは上乗。それが何か?」 「上の村の人に頼まれてきたのよ」 「はぁ…本当ですか?村の皆さんに?」 Ancotarは一言でいうと研究馬鹿。Aleswellの村で起きている事態を全く知らなかったが、その原因については思い当たることがあるらしい。しかも、 「そういえば何週間か前に、何かすごい叫び声があったような。私は慎重な注意が必要な実験に没頭してたとは思いますが」 と、全く他人事。嬉々としてその実験の成果を話しはじめる始末だ。 「お分かりになりますか?呪文の効果を高めるのが目的でして、範囲は期待に近づきましたが…あ~、気にしないください。貴女を退屈させるつもりはないんですよ」 「構わないわよ、続けて」 「ああ、お仲間でしたか。先にご無礼のこと、お許しください。大概の方々には退屈だと知ってるものですから。全く無知は神秘ですよ」 Ancotarは研究に専念すべくこの砦にやってきたそうだが、Diramの語った通り上の農家たちといさかいが絶えなかったそうだ。それで姿を永久に消してしまえば静かになるだろうと、不可視の呪文の研究を始めたそう。で、今度はその実験に村が巻き込まれたんだな。私を襲った獣たちもその犠牲者ってことか。 「分かりました!貴女はVantoの第三原理を引用されようとしてらっしゃる…心配ご無用!私は本当に視覚保護を破るような手段は見つけていないのです」 はぁ?何ですって? 「不可視性は永遠ではありません。貴女は村人に心配せぬよう話すことができますとも。結局のところ、効果は徐々に失われるのですから」 「徐々に…ってどのくらい」 「まぁ、1、2年で。もう少しかかるかもしれません。絶対確実な手法なぞありませんよ。その基礎研究はとても刺激的ですが!」 駄目だ、こいつ。完全な魔法オタクだ。 「そんなに待てるわけないでしょう?」 「そうですか?見えないというのは実に気分のよいものですが?まぁ、それで皆さんが私を一人にしておいてくれるのなら、いいでしょう。私は先週、対呪文を完成しました…手元にあったと思いましたが…ああ、これです。必ず皆さんが入るように村の中央にお立ち下さい。そう、必ず…心配はいりません。効果はあります」 Ancotarはスクロールを懐から取り出してよこした。 「念のために魔法をかける間、この指輪を身につけるのがベストです。自分の為に作ったものではありますが。この種の研究には非常に役立ちます。私が考えるに心配はありません。重大な副作用はまずありえないでしょう」 ホントに大丈夫なのかしらね。他に手があるわけじゃないから信用するしかないけどさ。 「ありがとう、ありがとう!私は再び自分に会えてどれほど嬉しいか、貴女に伝えることはできませんよ。妹達は、そのぉなんです…消えていたほうがよかったかもしれませんが、気にしちゃぁいませんよ、ははは!」 この兄妹は仲が悪いらしいわね。 Diramは感謝の印としていつでも宿代をタダにすると約束してくれた。なかなか気前が良いこと。Aleswellの村の事件はこれで落着。だが私のほうの問題はまだ残ってる。 私はAleswellを出て帰りがけにFort Caractacusに寄った。2階でAncotarはまだおきていた。 「おや大魔術師、何かできることがありますか?」 「あんた、やっぱり私の事知ってたのね」 彼に近づくと気軽に声をかけてきた。つまりだ、Ancotarは他でもない魔術師ギルドのメンバー。 だいたいこんな騒動を起こすのはギルドの人間だと相場が決まってる。それでDiramの頼みを引き受けたんだし。危険な実験にはペアを組むこと、必ずギルドホール内で行うことっていう原則なんて絵空事だ。いつかはとんでもないことをしでかす人間が出てきそうな気がするな。ま、ここはRaminus先生にがんばって貰うしかない。酒でも差し入れしておきますか。
by yamanobe26
| 2006-06-25 17:55
| Oblivion日記本編
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