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クエスト名『Into the Pitt(前編)』
“誰かこれを聞いてる者がいるか、俺の名はWernher。北の街から来た。俺は仲間を解放したい。手を貸す気のある者なら誰にでもこの放送は大きな価値がある。頼む…助けてくれ。繰り返す。誰かこれを聞いてる者がいるか…” 数日前よりCapital Wasteland全土に向けて奇妙なラジオ放送が発信されている。救援を請うメッセージがただ24時間休み無く流れるだけの。溺れる者は藁でも掴むと言うが、藁で命が助かるには相当の運が必要だろう。メッセージには“その先”が含まれていない。救いの手を差し伸べようとも、その手を何処へ差し出せば良いのか? 最早身体の一部と言って差し支えのないPip-Boyが示す場所は遙か北端、Oasisの更に北の山腹に立つラジオ塔だった。この辺りは険しい岩場だらけで登るのも一苦労。やれやれと安堵するも、突然"ターン"と間伸びした音が木霊した。 「…貴方がWernher?」 ゆっくりと歩み寄るアイパッチのタフガイは非難がましく「そうだ」と頷き、死んだ男に目を向けた。いや、普通は撃てんでしょう。どちらがラジオ放送の主か判らないんだもの。しかも双方甲乙つけがたい犯罪者面だったし…とは言わないでおいた。 「とうとう見つかっちまったな…まだ時間はあると思っていたが。お前さんはラジオ放送の件で来た、そうか?リスクは承知の上だった。なんとか旨くいったようだな。で、俺のことは判ってるとして、お前さんは何者だ?」 「ただのジャンク屋です。お力になれるかな、と」 勿論、報酬目当てすが。 「こりゃまた、英雄様か!鏡を見てみろ」 奥ゆかしさは美点と理解しない人間であるWernhe氏は、やってきた騎兵隊が頭の弱い小娘と知り谷底に沈むような溜息をついた。 犬や猫でも身体を舐める。かくも人間とは逞しいものか、と素直に感心してる間にもWernhe氏の説明台詞は続く。 「…俺は遙か遠く、北西の街から来た。Pittと呼ばれている。…その…なんだ。はっきり言うと、悪夢のような土地だ。放射能にミュータント、疫病…だが最悪なのは、俺たちが、生き残った者達の大半が奴隷だってことさ」 自らの素性を明かし、彼は聞き手の顔色を読んだ。 「ありふれた話…そう思うか?」 「…」 「まぁ、物騒な世の中だからな。但し、俺には皆を解放するチャンスがある。何としても、そのチャンスを失う前に外部の者の手を借りたい」 「チャンス?」 「俺はそこで死んでる仲良しグループから逃げて来たんだ。俺がCureのことに気づくとすぐに彼らが追ってきた。送り込まれたのはそいつらだけじゃないと、嫌でも判るだろう」 肩をすくめてみせたWernheの説明の中に奇妙な言葉が混じっていた。 「Cure?」 「Pittはゴミ貯めだ。そこに生きる者は病人や死にぞこないばかり…更に酷いのもいる。原因は水、そして空気だ。避けようがない。誰であろうと。お前さんだって何年か過ごせば冒される。だが、俺たちを締め上げてるクズどもが治療法を発見した。Cureが完成してしまえば、俺たちにチャンスはない。つまりだ、俺たちの解放を交渉する材料にCureが必要なのさ」 北の街Pittでは疫病が蔓延しており、おそらくGhoul化であろうと予想されますが、その治療法がCureです。具体的にどういうものなのかは不明なれど、Wernherはそれを交渉カードに街の支配者から自由を獲得するのが最終目的だと語った。彼の頼みとはPittへ潜入し、Cureを奪取すること。ぶっちゃけ、窃盗もしくは強盗であるが全く問題ない。私は悪党が大好きだ。街一つ治めるほどの金持ちが相手となれば搾りがいがあるというもの。 この場合の“彼ら”は奴隷商ではなく、商品のほうを指す。 「奴隷から毟るのはちょっと…」 「勝手にしろ。ヒーローごっこをしてる暇があったらさっさとかっぱらいに行け。俺は手を出さん、首尾良くいったらまた会おう」 Wernherはプイっと背を向けて歩き去った。 疫病の治療法、Cureでしたっけ。 世界征服を狙う悪の組織ならいざ知らず、奴隷が病人になって困るのは支配者側だと思いますけど。奴隷を得るにも金が掛かる。今時は人間も稀少動物だ。しかもまだ未完成って…完成してもいないものが何故に奴隷解放の交渉カードに使えるのか?謎ッス。 「Fuck off」 さすが人でなし。潔いよい遺言だ。 大概の奴隷商はビジネスマンを気取る。敵対行為に出なければ銃は抜かないので落ち着いて下見が出来る。滞在中の売人は全部で四人。皆、中国製の突撃銃を携帯。スクラップの中では高性能な部類だ。捕まってる方も四人ほど。一人寝床に横たわり、ピクリとも動かない者がいる。リーダーらしき男が棒を片手に檻を叩いてしきりに脅していた。 「ここに何を?」 「サンタさんを待ってる…ように見えるか?仕事だ。お前がクライアントでないのなら失せろ。ケツの穴からげっぷみてぇに鉛弾が出るほど銃を押し込まれる前になぁ」 品性下劣を絵に描いたような男で、自ら発した台詞に坊ちゃん刈りを揺すって笑った。 「お前には関係ねぇよ。俺たちは北に住んでる奴らを待ってるんだ。連中は肉どもを残らず買えるだけ買って行く。理由は知らんが、大枚を叩いてくれから俺は気に…」 Wernherの話だとPittの支配者、Ashurという男はParadise Fallsの上客で奴隷を大量に買い付けている。Capital Wastelandで奴隷を見る機会が少ないのは、その殆どがPittへ送られてしまうからだそうな。奴隷は安価な労働力として街の製鉄所でこき使われているが、Ashurの目的が何なのかはWernherにも判らない。奴隷商なら何か情報を得られるかと思ったんですけどね。 坑内に鎮座していたのはトロッコ、しかも…手漕ぎ式だってさ。 「このトンネルの先が最初の分岐点だ」 非難にもWernherは全く動じない。 「…帰りもこれ使うのぉ?」 いったいどのぐらいの時間・距離を走ったのか、漕いで漕ぎまくってようやく到着したのは深い谷間に隠れる貨物駅。朱色の空を墨を流したかのような黒煙が低くたなびいていた。 線路の先に人影が二、三。Wernherは小声で軽く制した後、先んじて話しかけた。 「おやおや。何やってるんだお前等、こんなところで?」 「同じ質問をしてやろうじゃないか。ここへ戻ってくるとは見上げた度胸だな、Wernher」 「そうか?そうかもな。それが俺とお前等の違いだ。俺には度胸がたっぷりある。お前等にはない」 「言ってろ、何様のつもり…」 一瞬でマグナムが着ぶくれしたRaiderオカマの胸を撃ち抜いた。 「話が違う!潜入じゃなかったの!?」 「あん!?」 ただでさえ股下がスースーするのに見知らぬ土地を丸腰で歩けるか、私はうら若い乙女だぞ…っと機嫌の悪さを眼力に込めて睨むと、さすがのWernherもたぢろいだ。 「う…うむ…旨く隠せるなら、拳銃かナイフを持ち込めるかもしれんがな。やるのは構わんが、連中が確認もとらずに撃たないとは保証出来んぞ。どっちを選ぶ?銃とナイフの」 渋々ながら出された選択肢は銃をチョイス。ナイフは扱え慣れない。 「行く前にあと一つだけ」 「なに?」 「長い旅になる。さぁ、行け」 格好つけても不潔な男はモテないです。
by yamanobe26
| 2009-10-29 13:25
| Fallout3日記
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