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クエスト名『Stealing Independence(前編)』
ラボのお隣にミュージアムがあるとは知らなんだ。こちらはThe Capital Preservation Society、首都保存協会…見た感じ歴史博物館のようです。ま、棚やテーブルに展示されているのは二束三文のガラクタばかりで、目玉は正面の壁に飾ってある。 「え〜と…」 「Abraham Washington、このささやかな歴史博物館の管理を委されてます」 どことな〜くCommonwealthの傲慢爺Zimmerに似た風情を醸し出す老人、Abraham Washingtonは物腰も柔らかく握手を求めてきた。 「素敵なミュージアムですね」 「おや!研究仲間がいらっしゃるとは!」 お世辞半分の讃辞に軽いジョークで返し、老人は目を細めた。 大層な名に相応しくAbraham老人は歴代大統領に一家言持つ。勿論、最も尊敬するのは第16代Abraham Lincolnだ。 「ある者にとってはただのゴミ、ある者にとっては得難い宝です。これらの文書を過小評価めさるな。ただの紙切れに見えても、その価値は計り知れません」 私が学芸員ではなくゴミ拾いだと伝えると、Abraham老人は仕事を一つ振ってきた。 「価値の話はさておき、実は私、あと一つ手に入れたい品がありまして」 「何です?」 「1776年に召集された大陸会議で、他ならぬThomas Jefferson自身によって採択された文書です。その日、この国はアメリカ合衆国の名を得て歴史に登場し、その素晴らしい業績は独立宣言という形に纏められた」 「つまり…アメリカ独立宣言!?」 「まさに。独立宣言なしでは画竜点睛を欠くというもの。どうしても欲しいのです!」 アメリカ独立宣言──── くたばれイギリスでお馴染みな国民の祝日、その記念日となる1776年7月4日、英国統治下にあった13の植民地が大陸会議に召集され、席上においてThomas Jefferson起草のアメリカ独立宣言が採択された。実際に独立が承認されたのは7年後ではありますが。Abraham Washingtonが探し求めているのはその時の署名入り宣言書だ。 「歴史にその名が残る。独立宣言を再発見した女性として、喝采を浴びるその麗しき姿!」 「冗談抜きでお願いします」 「失礼、いささかもうろくしておりましてな。ちゃんと貴女にも利がある取引です。私のコレクションの一つに、Railway Rifleと呼ばれる貴重な品の設計図面があります。宣言書をお持ち頂ければ、図面は貴女のもの」 「Railway Rifle…ってレールガン?そんなものがあるの!?」 レールガンと言えば古典的SF超兵器。実際に超がつくほどの威力にするには難題山積で、軍で開発されていたのは大艦巨砲主義の名残みたいなシロモノだった。同様のSF兵器であるレーザーガンは既に実用化済みだし、Commonwealthじゃ携帯ビーム兵器まで完成させている。そう考えれば、手持ちサイズのレールガンだって決して夢ではない。 報酬に色気を見せたと見て取ったAbraham Washingtonはパンと両手を打ち鳴らした。 まさに、ある者にとってはゴミ、ある者にとっては宝だ。相反する価値観を持つ私とAbraham老人は利害の一致をみた。 独立宣言書は国立公文書館のガラスケースに収まっている。場所はD.C.Mall地区のド真ん中。ぶっちゃけ、Super Mutantの一大拠点。Rivet Cityからだと地下鉄Anacostia駅からMuseum駅に抜けるのが最短ではありますが、駅の階段を登った途端に鉛弾が大量に飛んでくるのは確実なので、ここは迂回してPennsylvania通りへ向かい、Penn. Ave/The Mall Metro駅構内を抜けることにした。駅のMall北東方面口が国立公文書館のすぐ裏なのだ。 端末が幾つかあるので調べてみたら懸賞付きクイズが出てきた。正解するとなんか貰えるらしいが、詰まらん。我にそのようなものと戯れる趣味はない。なにより、館内の様子が妙。静かすぎる。 入口対面の部屋に人影あり。塹壕の向こう、銃を構えて身じろぎもしない。シルエットは…女か。 再び女の鋭い警告が飛ぶ。 あれよあれよという間に戦闘に雪崩れ込み、次々と襲いくるMutantどもをひたすら撃って殴っての繰り返し。終わってみれば死体の山が出来ていた。 「何処が?」 「気に障った?ご免。私、アホでさ。Sydneyよ、同業者に会えて嬉しい」 「同業者?」 「またまた…お互い、ここに独立宣言が仕舞ってあると知ってる。隠さない、隠さない」 フランクな口調とは裏腹に隙の無い笑みを浮かべる女は盗掘屋、Sydneyを名乗った。傭兵裸足の凄腕だ。集弾に難のある短機関銃一丁でSuper Mutantと渡り合ってみせる。 「老いぼれAbrahamが送ってよこしたんでしょ。私もそう。問題は一つ、私の協力なしでアンタは宣言書を入手出来ないってことよ」 「私は通りすがりの蟹ハンターだが?」 「通りすがり?オーケイ、了解。正義の味方ね。勝手に進んでくたばりな。Rivet Cityへ戻って報酬を貰うどころか宣言書に辿り着くのも無理だから」 「…」 「敵の種類は?数は?私ならごまんと銃を持ち込むよ。この建物の図面を調べてみた。私がいないと迷子になるだけ。どうする、コスプレ女?」 失敬な。これはコスプレではなく、私は正真正銘蟻の遺伝子を持つ改造人間、という話は置いといて。やれやれ…Super Mutantと戦争するのが面倒で、わざわざJamesをBryan少年に預けてきたんだがな… 「お好きに」 「賢くて結構。オーケー、宣言書は地下保管庫の中よ。ちょうどここ、ドームの中央に貨物用の隠しエレベーターがある。持ち込んだ端末でハッキングするのに二、三日掛かったわ。パスを入力すれば行ける」 報酬は折半でいいと勝手にSydneyが決めつけて、交渉成立。カスタム銃の図面を彼女がどうやって半分にするのか、楽しみだ。 「誰よ、それ?」 地下保管庫なんて言うからてっきり埋まってるのは倉庫だとばかり思ってたけど、ただの倉庫に秘密のエレベーターなんぞ必要ない。政府関係の施設らしく、地下は地上より遙かに広いと見た。Sydneyは宣言書の正確な保管場所を知っている。彼女の支持に従うのがベスト。 指定された北側の扉に近づいた時。 扉の上据え付けられたスピーカーを通し、大音量の演説が鳴り響いた。驚いてSydneyに確認を求めたが、彼女も初めて耳にしたらしく首を振った。 "忘れるな!いかなる政府であろうとも民衆の支持こそが唯一の正統性を保証する。ゆえに、彼らの自由意志の表現を保護することが我々の最初の目的でなければならない!諸君等のリーダーとして誉れ高きジョージア代表Button Gwinnettが約束しよう、戦いはまだ始まってもいなかったと!" …Button Gwinnett?とんでもない名が出てきたな。 内容からして演説はラジオ放送か何か、侵入者に対する警告ではないと判断し、そのまま扉を抜けて階段を降りた。 階下に見える部屋の空気が揺らいでいた。お馴染みのガス漏れだ。火器厳禁、隣接する通路に敵もいる。先に誘い込まないと… 止める間もなくSydneyが突っ込んだ。 躊躇うことなく発砲、一瞬で彼女は業火に包まれ爆風で床に打ち付けられた。 破壊された警備ロボットを尻目に、未だ身体から炎をくすぶらせて得意気に口の端を持ち上げた。
by yamanobe26
| 2009-10-19 19:53
| Fallout3日記
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