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クエスト名『Oasis 4』
Oasisの森の地下、Bobの根に繋がる洞窟はMirelurkの棲み家だった。はん!蟹ごとき、AntAgonizerの敵ではない…と言いたいところではありますが、スーツはMegaton自宅のロッカーの中。くっそー、よりにもよって何で蟹なのよ。 悪いのはMirelurkを放し飼いにしてるTreeminderどもだ。お前等何とかしろと森へとって返したら… まるで厳かな儀式であるかのように皆揃ってコーラをグビグビと流し込んでいた。Treeminderは存外に俗っぽい。強硬な自然保護主義を唱えるなら湧き水でも啜ってるかと思いきや、“水は汚染されているので危険”ですと。 そのうちの一人、休憩中のガードBranchtender Lindenを蟹避けに連れ、再び洞窟へ。 Oasisを守るガード、Branchtenderは三名いる。LindenはTree Father Birchの熱心な支持者である他二人Maple、Cypressよりも若干引いた位置に立つ。さもありなん。なんとこの男、無神論者なのだ。 「私は夫妻と知り合ってまだ日が浅いが、二人は最初から私を受け入れてくれた。まるで息子のように。そんな人間はこの世界にそう多くはない。私はこの僻地で死にかけていた時、キャラバンに拾われた。彼らはこの場所を知っていてね、 Poplar先生のところまで運んでくれたよ」 村の万能医Bloomseer Poplarの治療で命を取り留めた後、彼は恩義に報いるべく村に留まることを決意、以来Oasisの護り手を勤めてきた。LindenはHarold(とBob)を神と崇めてはいないまでも、特別な生き物、偉大な何かであるとは感じているそうな。 難なく蟹の群れを突破した私たちの行く手を阻んだのは、並々と水を湛える地底湖。Oasisの森は泉や小川を多数抱えるだけあって豊富な水源を持つ。やはり地下水のプールは勿論、岩壁から染みだす滴その一滴にいたるまでしっかり放射能に汚染されている。 「ない」 地上は空き瓶一つ落ちてないのに。洞窟内は夥しい数の死体、空き瓶、空き缶に空の食品パッケージ、更にはゴムタイヤや廃材が目に付く。不法投棄のゴミ貯めを眺めやり、Lindenが理由を説明してくれた。 「昔、爆弾が落ちる前はこの辺りに鉱山の町があった。200年前ぐらいか、戦端が開かれて多くの人間が自然に出来た洞窟に逃げ込んだ。この洞窟の入口の門もその時代の建物の残りだよ」 「…シェルター代わり?」 核戦争が起こる前、Vaultに入ることが出来たのは当たりくじを引いた者だけで、人口の僅か数パーセント。大多数は自力で生き残る道を探すしかなかった。遺体とゴミの山は暮らしていた者達の痕跡だと彼は頷いた。 地上だと洞窟の入口とHaroldは数十メートルほどの距離…であるのに、なんで地下だとこんなに離れているのか。えらい遠回りを強いられてようやく地の底、Haroldの心臓へ到着した。 その男の懐からOasisの位置データを記録したホロテープが出てきた。ご丁寧に某かの組織性を臭わせるコード名付きで。それが事の発端。男は木の皮で作られた奇妙な頭巾を被っており、私の眼を引いた。 「…そして、この洞窟で頭巾をはぎ取られたTreeminderの死体を見つけた。どういうことかしら?」 「…」 「何故、仲間の死体を放置してあるの?」 Lindenは押し黙ったまま返答しない。 Haroldの話では私以前にもOasisを訪れた者が少なからずいる。儀式を受けた彼らはその後どうなったのか。何事もなく森を出られていれば、とっくにOasisの存在は明るみになっていたはず。だが、現実にOasisを知る者は殆どいない。私同様の理由で“客人”たちは洞窟に入りMirelurkの餌食になったのか…あるいは入る前から死体だったのか。テクノロジーを忌諱しつつも武装が必要と嘯くBirch老は、やはり好々爺然とした風貌にそぐわぬ面を持つ。 洞窟は死体の処理場、Mirelurkは解体屋。ゴミ一つ落ちていない美しい森もイロイロなものを礎にして生い茂っているわけだ。 「Outcast!?」 Lindenは意外な過去を告白した。 「某かのテクノロジーが残っていないかとこの辺りを調査していた時、Deathclawの群れに襲われた。全員切り刻まれ、私も血の海で死にかけた。もし、OasisとPoplar先生が助けてくれなければ、今この世にいない」 兵士としてWastelandの住人が置かれた状況をつぶさに見てきたLindenは、Fatherの方針に異を唱えた。 Father Birchは外部の人間をOasisに迎え入れるのに難色示しており、幾人かはMother Laurelの取りなしで村への移住を認められた。Bloomseer Poplarもその一人と聞く。そういう経緯もあってPoplarとLindenはMotherを支持しているらしい。 肝心のHaroldは、森の創造は“木”であるBobが勝手にやっていることと他人事、まるで無関心だ。彼はGurl。生存の為に緑なす木々もクリーンな水も必要としない。自然の尊さなんぞを説いても馬耳東風だろう。その彼らだけが短時間で大地に緑を蘇らせる事が出来る。なんて皮肉な話。 心の内でご免とHaroldに頭を下げて、私はMotherから与った軟膏を取り出した。 洞窟奧の出口を抜けた先はHaroldを囲む泉のいっかく。苦痛に身をよじるようにして立つHaroldの脇でTreeminderが一人待ち受けていた。 「今日、貴女は偉大な事を為し遂げたのですよ」 「…Mother Laurel?」 どうやって知ったのか、自分の案が選択された結果にMotherは満足し、高潔とも尊大ともとれる態度で労った。 「そうだといいんですが」 Haroldが面白くなさそうに耳をそばだてている。 「短い間の滞在ですが、貴女は沢山の事を学んだはず。この乱れた世にあってそれは貴重な経験なのですよ」 「…」 「貴女が去る前に何人か話したがっている者がいます。価値ある報酬が贈られるでしょう。貴女の旅に幸あれ。貴女のその開いた目と同じだけ心が開かれたと信じます」 くるりと背を向けたMotherはHaroldを素通りして歩き去った。彼女が扉を抜けるの見やり、Haroldがボソリと口を開いた。 「…つまり、連中の言い分を聞いたんだな。どういう了見だ?」 「握れば拳開けば掌よね」 「なんだそりゃ?」 地下ではHaroldの心臓が以前より増して活発に脈打ってる。“何も感じない”と本人も言っていたが、Harold自身は軟膏の効果を実感出来ないらしい。彼にとっては冷酷な選択をしたはずの私を咎めるでなく、やさぐれた口調はそのままに問うた。 「あの人たちが生きていくのに貴方が必要なのよ」 「…」 「貴方が大切なの。それこそ自分たちの命よりも」 「ホントにそこまで俺が必要だと?」 今更ながらにHaroldは驚いてみせた。これで20年以上も彼女らと一緒にいるのだから呆れるばかりだが。 「ムゥ…思ってもみなかったな。俺、自分の事しか考えてなかった。なら、彼奴らにチャンスをやるかしかねよな、Herbert?」 ブツブツと彼は一人、相棒と語らい始めた。 方針転換をMotherr以上に歓迎したのはBloomseer Poplaだった。Haroldを活性化して森を拡大する案をMotherに持ちかけたのは彼女だ。Haroldの森は伝説的に知られており(彼女自身、その伝説を頼りにOasisへ辿り着いた人間です)いずれ遠からずOasisは露見すると考え、軟膏を調薬した。感謝の印として、彼女はTreeminderが被るフードと気になる予言を私に与えた。 Haroldの小さな友達、Saping Yewは彼の生存を素直に喜んだ。外から来たにしては良い人と私を評価し、小さなお守り、熊をかたどったキーホルダーをご褒美にくれた。両親であるFatherとMotherから五歳の誕生日にプレゼントされたアクセサリで、本当はHaroldにあげるつもりだったが、彼はポケットがないので私に贈るそうだ。いずれ彼女がTreeminderとHaroldの間にある誤解を解いてくれる、そう思わずにはいられない。 見送りに際し、Lindenは奇妙な言い回しで待ち受ける苦難を憂いた。彼はいろいろな意味で重い餞別を寄こした。 「この場所に腰を落ち着けて元の生活に戻らなかったのはこの為だった。私の過去を君に譲ろう、受け取ってくれ。きっと役にたつはずだ、私が使っていたとき以上に」 譲られたのは彼がかつてOutcastであった時分に愛用したPower Armor。OutcastやBrotherhood of Steelが制式採用しているT-45d同型品だが、重火器携帯にチューンしてある。 「いいの?先々、必要になるかもしれないわよ?」 森が谷の外へ溢れ、人が集まれば同時に様々なトラブルも森へ持ち込まれる。ガードの仕事もそれにつれて険しくなる。Lindenは自分にはもう不要と首を振った。 「私が生きてるのは彼らのおかげだ。最後の息まで、借りを返し続ける」 Treeminderの一人として森に骨を埋める、差し出された手に強い決意が込められていた。 もう一つ、Linden…正確にはPoplaからですが、貴重な品を与った。 森の種だ。
by yamanobe26
| 2009-10-13 15:40
| Fallout3日記
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