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クエスト名『Oasis 2』
崩れかけの教会で遭遇した謎の狙撃手が持っていたデータが指し示す地、Oasis。果たして真実、錆びついた鉄と砕けたコンクリートの荒野に“憩いの緑”は存在するのか?行ってみたらバリバリの汚染地帯でGhoulにとってのOasisだった…なんてオチがよぎりますけど。 「え?」 通りすぎた背にあったのは人の背丈ほどの小木。幹は頼りなさげに華奢なれど数え切れないほど沢山の葉が枝を青々と飾りたてている。慌てて岩場を見回すと、錆色に朽ちた木々に混じって青葉が風に揺れているのが目に写った。 谷の行き止まりで並木が緑のアーチを成していた。 初めて見る風景に呆然と立ちすくんでいると、門前の老人が声を張り上げた。 「"彼"?」 「共に来てくれるなら、すぐにも"彼"に会わせよう!」 えらい歓迎ぶりだ。あちこちから木の枝が飛び出す皮の服を纏う老人は何故か異様に興奮し、捲し立てた。 「…ここは一体何なんです?」 「あぁ、失敬。年甲斐もなく先走ってしまったか。儂はTree Father Birch、"彼"の民Treeminderのリーダーとなる誉れを賜った。門を抜けた先が我らの里、Oasisじゃ」 「Treeminder?」 「左様、儂らはそう呼んどる。儂と共に東屋へ、そこで全てを話そう」 ?マークで埋め尽くされた頭でコクリと頷くと、老人は破顔した。 「ありがたい!来られよ、すぐに何もかも判る」 老人について扉を潜ると、大戦前どころかそれこそお伽噺・ファンタジー映画でしかお目にかかれないような光景が飛び込んできた。 その小川を跨ごうとした途端、ガイガーカウンターが警告音を発した。 Colin Moriartyではないけれど、この世は裏切りでいっぱいだ。自然もまたしかり。ここOasisもしっかり汚染されてる。なら、どうしてこんなにも豊かな森が出来上がるのかしら? 「そなたには儂がどれほど喜んでいるか判らんじゃろうな。通常、Oasisに外の者を入れるのは禁じられておる。だが、"彼"が例外を認めた」 汚染地帯で育つ森と知り私は冷や水を掛けられた気分だったが、老人はにこやかな表情を崩すことなく問うた。「怖いかね?」と。 「そなたが恐怖と呼ぶものを儂らは畏怖と呼ぶ。この地は儂ら皆にとって祝福なのじゃよ。そなたの周りにある全てが、小さな草より背の高き巨木にいたるまで全てが、"彼"からの贈り物なのじゃ」 「"彼"とは…」 「神ではないよ、お客人。彼は育む者、与える者…そして導く者じゃ。彼に感謝を。Treeminderは故郷を得た」 老人は瞳を閉じ、あらぬ方向に頭を下げた。 門を護る女は突撃銃を抱えていた。 「Wastelandは危険な土地じゃ。時に自らを護る必要があろう」 「毒を持って毒を制す?」 「彼がそなたに会うと言わねば、そなたは門を抜けてここへ来ることはなかった」 「なるほど…確かに、私はここにいますね」 歓迎してみせてはいるものの老人の本心が透けて見えます。不毛な議論がしたくて外から客を迎えたわけではないと、Birch老は話を戻した。 「左様。すまんの。余り外の人間と話す機会がなくて、遂、会話にのめり込んでしもうた。彼に会うには"浄化の儀式"を受けて貰わねばならぬ。儀式が滞りなく終われば、"彼"と話すことが許される」 「儀式?どんな?」 「簡単じゃよ。そこの盃から樹液を飲む。樹液はそなたの心と体から彼に害をもたらすもの全てを浄化する。そなたに危険はない、儂が保証しよう」 そんな怪しげなものを飲めと言われて飲めるものでなし。Birch老に時間を貰い、先に森を歩いてみることにした。 村を端から端まで散策してみたものの、"彼"には会えなかった。住人に尋ねても口を揃えて儀式が先と返事をするのみ。先へ進むには樹液を飲むしかないか。 儀式を受ける旨をBirch老に伝えると村人が東屋に集まり、樹液の満ちた株を取り囲んだ。デロデロな液体を一掬い、目を瞑ってゴクリと飲み込むのを確認するや、村人たちが厳かに経文を唱え始めた。 “では。我らは客人が森へ入る前に、この者がもたらすであろう危害を防ぐために、祝福の言葉を唱えよう…” “大いなる者の御心のもとに。厄災をもたらす者、汝は立ち去るがよい” “我らが家と我が肉体より速やかに立ち退きなさい…” “…そなたはすぐに穏やかな眠りに落ちる。そして目覚めた時、直に彼を目にする栄誉が与えられる…” 最後の言葉と共に見るもの全てが金色に輝き、意識がプツリと途切れた。 唐突に視線を感じた。 マグナム弾は軽々と跳ね返され、ならば文字通りの木っ端微塵。グレネードに手を掛けると。 「!!」 「連中にいくら言って聞かせても、聞く耳を持たなくてな…悪かった」 「木が…」 「どうした?」 「喋ったぁあ!?」 その声はまるで地の底から響くよう。時折酷い咳を絡ませながら、“木”は自己紹介を始めた。 「…」 「古い付き合いだ…文字通り、お互いを隅々まで知ってる…ははは、ゲホゲホ…スマン、コイツは本当はBobって名だが俺は愛嬌をこめてHerbertって呼んでる。本人はお気に召さないらしいが」 「…つまり、木と喋ってる貴方は別物で、貴方はこの木に捕まってるだけ?」 「あぁ、そう見えるのは仕方ない。こういうことだ、Bobは俺の頭の天辺に乗ってたんだ。で、だんだんと根っこが降りてきて…判るか?しまいにはコイツが俺より大きくなったので、俺は身動きがとれなくなった」 ぶちゃけ、彼は元人間で取り憑いた木に乗っ取られたって話らしい。かように奇っ怪な状態になった事情を簡単には説明出来るわけもなく、BobだかHerbertだかではない彼はもどかしげに過去を語った。 「西海岸の?」 彼はギシギシと幹を軋ませ、不自由に頷いた。 「かなり奧まで侵入して、緑色のヌメヌメしたのが入った怪しいタンクを見つけた。引き返そうとした時、攻撃されたんだろう、多分。気を失う前、仲間が樽に蹴りこまれるのを見た憶えがある…」 で、気が付くと彼の頭に木が生えていたそうな。 CAのMariposaといえば、セコイアの巨木が乱立するYosemite国立公園のある郡。不気味に枝がうねる"彼"はどうみても直立不動の大木には見えませんが、とにかく、頭に生えた木Bobは成長を続け、宿主を通りこしてこの地に根を張った。今じゃ何処から何処までが彼なのか判別出来ないほど融合が進んでる。 …ふむ。動物と植物は同一の単細胞生物から分化したと考えられる。原生生物の世界では両者の境界は曖昧で、例えばミドリムシは鞭毛で泳ぎながら葉緑体で光合成を行う。マクロな世界でも植物から摂取した葉緑体を細胞内に定着させる動物がいることはいるが、さすがに人間一人丸ごと樹木と混じり合ったとなると自然的な事象ではない。彼が基地で見つけた緑色のヌメヌメってのは、ズバリFEVですな。 なんか、Oasisの森の正体が判っちゃったような気がするなぁ… 「それで?私に用があるとか…」 「あぁ…簡単なお願いを聞いて貰いたくて君を呼んだ」 「どんな?」 「頼むから俺を殺してくれないか?」
by yamanobe26
| 2009-09-18 09:30
| Fallout3日記
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