カテゴリ
ご注意 Simらし本編 Simらしスナップ Sims2使用素材 Fallout3日記 Index Fallout3日記 Oblivion日記 Index Oblivion日記本編 Oblivion日記外伝 Oblivion日記SI Oblivion日記MOD編 Oblivion日記W Skyrim日記 Index Skyrim日記 その他のジャンル
最新の記事
|
クエスト名『The Superhuman Gambit』
"Mechanistある限り、この町の人々が怖れるものは何もない!" "愚かな!それこそが破滅の元凶。そして世界はAntAgonizeのものになるのよ!" "世界はこの私が、Mechanistが護ってみせる!悪は滅びるのだ!" Sentry Botを失ったロボット軍団はあっさり敗走し、蟻女は手下を率いて悠々と反対方向へ退場。本日の催し物は終了した。有料サイン会はないらしい。 私はAgathaさんの先祖が愛用したStradivariusを求めてRivet Cityを離れ、Vault 92へ旅立った。地下鉄坑道を抜けて紛争地帯を脱出し再び荒野へ脚を踏み入れ、途中Vault-Tec本社から情報を入手したVault 108でクローンたちと遊んだ後、更に北へ進んでCanterbury Commonsへやってきた。この町のことはWolfgangさんから聞き及んでいる。キャラバン隊の元締めUncle Roeが統べる商人の町、ジャンク屋のはしくれとしては素通りなんて以ての外、ご尊顔を拝しましょうと立ち寄って出くわしたのが今観た奇天烈なヒーローショー。 Sentry Botの修理の算段をしてると、中年の温和そうな男が小走りで寄ってきた。ヒーローショーを遠巻きにしていた住人の一人です。 「Roeだ、皆からはUncle Roeと呼ばれとる。ようこそ、Canterbury Commonsへ…と、言っていいものか判らんがね」 へぇ…この方がUncle Roe。なかなか恰幅の良いおじさまです。 「いえ、お会いできて光栄です。何なんですか、今の人たちは?」 苦り切った顔のUncle Roeは口をポカリと開けて言い淀んだ。 「あー…MechanistとAntAgonizerだ…自称。イカレとるんだ、二人とも」 「AntAgonizer…どっかで聞いたような?」 「少し前にだな、我々はその…AntAgonizerの襲撃を受けたんだ。あの蟻を連れた女のほう、言わんでも判るだろうが。でだ、Mechanistがロボットで町を救った。それはそれで結構な話ではあるんだが、争いは拡大する一方でとうとう商人たちが寄りつかなくなった。二人とも止める気は全くないとさ!」 商売あがったりだとUncle Roeは大きく溜息をついた。 傍迷惑なヒーローショーで悪役を演じる怪人蟻女、AntAgonizerは世界征服を企む悪のコスプレマニア。その名の通り蟻を操り、人類を滅ぼす為に町を繰り返し襲撃している。対する善玉、バケツスーツを装着するMechanistの正体は町の技術屋Scott Wollinksi。元は町のガードロボットのメンテ係で、蟻女の襲撃で可愛いロボットを壊され、報復行動に出た。コスチュームまで作って正義のヒーローを演じてるうちに今じゃ完全になりきっちゃったパラノイアですと。 「お手伝いしましょうか?」 「それは助かる!助けて貰えると思ってたよ。勘で分かるんだ、未だかつて商売で外れを引いたことはない!」 Roeさんは自慢げにお腹をポンと叩いてみせた。腹で感じるんだそうです。 「ねぇ、ねぇ、お姉ちゃん!見た?見た?AntAgonizerはこう、“私を怖れよ!”で、Mechanistが“悪いことは止めろ!”だって!!」 「あはは、似てる、似てる」 「AntAgonizerは蟻を使って人類を滅ぼそうとしてる悪役超人だよ。でね、Mechanistはロボットで僕らを守ってくれるんだ!」 Roeさんの甥、Derek少年はあの二人の熱烈なファン。身振りと声色を加え、瞳を煌めかせて語る。当然、叔父さんは余り良い顔をしていない。 「危ないのよ?」 「判ってる。一緒に遊ぶ子もいないし、みんなしかめっ面しちゃってさ…ホントつまんないんだもの。でもAntAgonizerはすごく強くて、Mechanistは格好いいんだ!楽しいんだよ!もう、他のことよりずっと!二人みたいに慣れたらなぁ…仲間にしてくれないかなぁ?」 MechaniBoyになりたくて仕方がないDerek少年は「秘密だよ」とこっそり丸秘情報を教えてくれた。AntAgonizerのスーツを着ると機敏さが増し、Mechanistアーマーの特殊能力は体力アップだ! 「駄目だよ!二人を止めちゃ。あの二人は最高なんだ!まぁ…お姉ちゃんがスーパーヒーローやってくれるならいいけどさ!」 「私が?」 「人はこう呼ぶ、Brilliant Shadow!Mole Ratの軍団に掘れない穴はない!」 「…格好いいの、それ?」 Derekは元気よく頷いた。Bryanといい、少年の夢は想像を絶する。男の子を産んだら忍耐が必要だと肝に銘じておこう。 Mechanistは曲がりなりにも正義の味方…実際には飛び道具を撃ちまくるこの缶詰男のほうが町に深刻な被害を与えているのですが、とにかく“悪”が現れない限りは基本人畜無害。やはりやっかいなのは“世界征服”を企むAntAgonizerのほう。住人の話を聞いてみると、彼女は満更悪党というわけでもないらしい。手下の蟻ンコが弱弱なうえに、以前は銃声がしたら一目散に逃げ出していたそうで、むしろ賊の類が寄りつかなくなったのは彼女のおかげと考える住人もいる。先ほどの出し物でも二人はセコンド役に徹していたし、ロボットを撃退した彼女は住人に手を出すことなく去っている。 つまるところ、両者の争いは度を超した“ごっこ遊び”。Derek少年に限らず、程度の差はあれ、皆そう考えています。一人でヒーローごっこは辛かろうから、どちらかを引かせれば問題は万事解決と。 食堂Dot's Dinerを営むJoe Porterの話は奇妙だった。蟻に襲われた人間が蟻の仲間になりますかね、普通。 二人はそれぞれ町を挟んで南北にアジトを構えている。 洞窟の奥深く、煌々と照らされた玉座に収まるは蟻のコスプレ女。近道だったようです。 「お前を送ったのはあのお節介、Mechanistかしら?我がロイヤルガードと戦って生き残れる者はないと教えてあげる。釈明なさい!可愛い坊やたちに命じてこの場で殺してやってもいいのよ!?」 「争いを止めて下さい。町の人達が迷惑しています」 「ホホ!わざわざやって来て、私に命令?人間の時代は終わったのよ。お前達の種はね、些細な行き違いで戦争ばかりする、だから滅びた!」 早速、争いを止めるよう説得してみたものの、AntAgonizerは全く聞く耳を持たなかった。この蟻女ときたら脳みそに棘が生えてるんじゃないかってぐらいのイラ子で、怒鳴り散らすばかり。 「でも蟻は違うのよ。仲間同士で助け合い、忠節だけが彼らを動かす!蟻が栄え、人類は滅びるのさ!可哀想なMechanistを始末したら、私はWasteland中に巣穴を広げてみせる!!」 「…Grognak the Barbarian」 「!」 スキル本でお馴染みなコミックの名を口にすると蟻女はギョっとなった。 「私、知ってますよ。AntAgonizerってGrognak the Barbarianシリーズに出てくる悪役でしょ」 前にD.C.の西岸にあるHubris Comics社の端末でその名を見た覚えがある。 「ち、違う!違うわ!子供向けの漫画でAntAgonizerの真実が判るわけないわよ!」 「マンガのキャラなのは否定しないんですね」 「う…」 「確か、蟻に育てられた女の子でしたっけ?人類に対する“無駄で無意味な悪意”を発散する典型的な悪女。悲劇性を台無しにしたとか評判悪かったらしいですけど」 ネタもとがコミックのヒールだと知られた彼女は赤面を通り越して蒼くなった。 「貴女、あの話を信じるの?…コミックを読んだ時、私はコレだって思った。私は何処から来て、何処へ行くのか…運命だったのよ」 人間誰しもお子様の時はヒーロー・ヒロインに憧れる。それが現実になると過酷だ。AntAgonizerことTanya Christoffは元DV被害者だった。彼女を虐待した家族は蟻の襲撃で死亡し、Tanyaは何故か蟻に拾われ女王として育てられた。己の境遇を悲劇のヒロインに準えた彼女はAntAgonizerの物語を自ら演じようと決意した。幼いTanya Christoff唯一の人生教本がマンガだったのだ。…哀れな。 「今からでも遅くありませんよ。人間に戻りましょう」 男はどうだが知らないが、女は夢だけ食べて生きられない。彼女も心の内ではマンガをなぞる人生を恥じており、あっさりと非を認めた。 「お願い‥私はとんでもなく間違っていたんだわ。もし本当に私にチャンスがあると思うなら私を行かせて」 「どうぞ。見つかるといいですね、新しい生き方が」 今時はロボットでさえ新たな人生を手に入れる。人間の彼女に出来ぬわけがない。Tanya Christoffは嗚咽する声で「ありがとう」と感謝の言葉を吐き出し、AntAgonizerのスーツを脱いだ。 まさかぁー、こんな楽しいスーツを使わない手はないですよ。 「馬鹿な、その姿…何者だ貴様!?」 「新たなAntAgonizerだと!?」 「ギク!!」 「夜な夜なメンテと称して外装を取り外し、オイルをヌリヌリ、バッテリーを交換してあげる痛くしないからね、とか耳元で囁いてるんだろ!!」 「わ、私はそんなことは…」 「昨晩は何本だ?」 「な…何?」 「何本ボルトを締めたのかと聞いている」 「2…15本だ」 「気持ち良かったか?」 「う!」 「気持ち良かったんだな、この変態め!」 「あ…あ、あ…」 「女…いかん!危うく言ってしまうところだった!」 「ち、もう一押しだったのに」 「私に心理戦は通用しないぞ、AntAgonizer!実力で来い!!」 「さすが変態、打たれるほうが好きか」 「違う!!!」 「…まぁ、多分そう…だといいですね」 新たなAntAgonizerの存在を知らないUncle Roeは気前よく報酬を弾んでくれた。バレなきゃ何をやっても許される、Wasteland万歳。 キャラバン隊から元締めと呼ばれるUncle Roeですが、内情はそれほど組織だった活動をしていないのだそうです。曰く協調性に欠けるWastelandの人間を纏めるのは骨折りだと。Roeさんは行商人が卸す品に関して口出し出来る立場ではあるので、投資してくれればキャラバンの扱う品目の拡充と買い取り額上限を上げられると持ちかけてきた。これは非常にありがたい申し出です。私のようなフリーなジャンク屋も捌ききれないブツを抱えてウロウロする機会が少なくなる。手始めはいつもお世話になってるWolfgangさんに投資することを決めた。
by yamanobe26
| 2009-07-04 13:35
| Fallout3日記
|
ファン申請 |
||