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クエスト名『Agatha's Song 1』
Moira Brown謹製『防鼠スティック』のテストは依然難航中。Mole Ratを追って“わんこ”改めJamesと荒野の方々を探し歩くも、遭遇するのは賊の皆さんばっかり。鼠に限らず、近頃はちょっと前まで何処にでも見かけた蠅や蟻も姿を見なくなった。軍用ロボットや重火器を持つRaider、Super Mutant、Yao Guaiといった強者がWasteland北部を席巻しており、ヒラエルヒーの低い者は生存が難しくなっている。 “元気ですくぁあーCapital Wasteland!!こちらThree Do"プチン"” Pip-Boyのチューナーはいつものように喧しいThree Dogと鬱陶しいJohn Henry Edenの声を拾うのみ。電波は出ていないらしい。 扉に手を掛けると、一声吠えたJamesが隙間からさっさと家に入り込んでしまった。 Jamesは突然の来訪者に驚く老婆の脚もとでちゃっかり座り込んだ。 「ご免なさい。こら!James」 やっぱ付けた名前が悪かったのか?Jamesは叱ってもそしらぬ顔。 「あら、あら、あら。ちょっとお疲れのようね。まぁ、はしたない、私ったら。Agathaよ、いらっしゃい」 Agathaと名乗る老婆は手にした箒を休め、馴れ馴れしくも図々しい相棒に目を細めた。 「お一人でお住まいなんですか?こんなところで?」 「まぁ、心配してくれるの?大丈夫よ。夫が…もう安らかに眠ってるけど、この家をお天気や生き物からしっかり守ってくれるようにしてくれたから」 「旦那さんは…あ、すみません」 「気にしないで、ええ、夫はもういない。ここを建ててからずっと二人で幸せに暮らしてきたの。外との繋がりを絶って、互いに寄り添うようにして」 残されはしたけれど十二分に幸福だった。刻まれた皺を伸ばし、Agathaさんは屈託なく笑う。 ゆったりとしたテンポが101のPalmerお祖母ちゃんを思い出させる。伴侶を失った後もAgathaさんはこの家を離れなかった。岩場に隠れてるとはいえ、荒野で老婆が一人生きるのは並大抵のことではない。聞けば彼女をサポートしている人たちがいるそうで、それがなんとキャラバンの方々。Wolfgangさんの隊が吊り橋で休んでいたのはAgathaさんに日用品を卸す為。ジャンク屋の鑑ですねぇ。 Agathaさんは生活品と交換でキャラバンに宿と洒落たサービスを提供してます。 「ありがとう。夫はいろいろ趣味があったけど、私はつまらない道具を作るぐらいで。もう少しマシなことが出来ればよかったわ」 「この通信設備も?」 「それはもう。夫の自慢の種よ。調整に長く時間を掛けてた。それを使って必要なものを手に入れようとしてたけど、返事がきたことは無かったわね」 室内はお世辞にも贅沢とは言えない調度品が少々あるのみ。一つしかないテーブルを無線機が占領し、手前に食卓椅子が一つ、その脇に譜面台が並ぶ。彼女はお手製バイオリンの演奏で行商人を持てなし、生で聞けない荒野を行く人々の為に通信機と庭の電波塔を通じてラジオ放送を流してるんですって。心和ますサービスはキャラバンにも好評だとか。 判るなぁ…脳天気に張り上げた馬鹿声では荒野に生きる者は癒されない。まぁ、Three Dogも自分の声に癒し効果があるとは思ってないでしょうけど。ん、決めた。私も一肌脱ごう。 「あら、それじゃお言葉に甘えちゃおうかしら」 「遠慮無くどうぞ。何か必要な品はありませんか?探してきますよ」 「私の取引はバイオリンが全てなの。それがないと、他には何も弾くものがないから…音楽を奏でるのは無理。もっと質の良いバイオリンを持ってきてくれると安心なんだけど」 むぅ…バイオリンですか。戦争で楽器類はほとんど焼失してしまった。今時手に入るのは金属製のハーモニカぐらいだし、それだって歪んで音階が定まるのは希。自前で楽器まで作るAgathaさんは人一倍心を痛めている。 「とても悲しいわ。二度と昔のように楽器が作られることがないと思うと。溜息がでちゃう。でもね、幸いにも私は正真正銘本物のバイオリンがこの世界の何処かに存在するのを知ってるの」 「え?」 思わず素っ頓狂な声をあげてしまい、Agathaさんは目を丸くした。 「私は詳しく知らないのだけれど。ずっと昔、1714年にAntonio Stradivariって有名な職人さんが作ったバイオリンよ」 いえいえいえいえ、Stradivariusといえば説明不要の名器。しかも何処かにあるというそのバイオリンの名はStradivarius 『Soil』。メープル材の木目と赤いニス塗りが美しい、Antonio Stradivariが最盛期に製作した傑作中の傑作の一つです。何故にそのような名工の作をAgathaお祖母さんがご存じなのかと申しますと。 「全ての始まりは私のひいひいお祖母さん、Hildaにまで遡るの。2077年、爆弾が落ちる直前のことよ」 「そんな古い記録が残ってるんですか?」 「ええ、その類がね。Hildaはひいお祖母さんのMaryに沢山の手紙その他を送ったの。多分、日記代わりだったんじゃないかしら」 「2077年…」 戦争が始まり、Vaultが封鎖された年だ。 「確かに大昔よね。その貴重なバイオリンは沢山の刻を経てきたのよ。とにかく、Hildaは特別な女性だった。クラシックに習熟し、優れたバイオリンの才能を持ち、その彼女の誇りと喜びがStradivarius。どれほど見事な品だったのかしらね、想像するのが精一杯」 手を胸元で合わせ、うっとりと夢見るようなAgathaさんは可愛らしい。 「戦争が鎌首を擡げた時、彼女はVault-Tec社からVault 92へ招かれたの。彼らはそのVaultは音楽の才を維持する為にある、それ専用だと言って」 「…は?」 「Vaultは芸術やら何やらを残す為に使われるっていうのがVault-Tec社の謳い文句だったのよ。Hildaは世界中の音楽家に出合える機会を見逃せなくて招待を受け…そして爆弾が落ちた。Vaultは封鎖され、彼女の便りはそれっきり途絶えてしまった」 ひいひいお祖母さんはSoilの為に特殊な与圧ケースを作らせており、それにちゃんと収められたままなら今も当時同様、完璧な保存状態にあるとAgathaさんは断言した。彼女の依頼は言うまでもなく、ご先祖が愛用した名器の回収だ。 「頼めるかしら?」 「はい!」 防鼠スティックの試用回数はRaiderの家畜にまで手を出してようやく達成した。苦労の甲斐あり、Wasteland Survival Guideの著者は助手の功績を手放しで讃えた。 「失敗ですよ、コレ」 「へ?」 一発殴っただけで確率100%で頭が粉砕するような棍棒に『防鼠』の効果はない。それはそれで『鼠殺し』として売れると製品だと思うのではありますが、意図した効果ではないとMoira Brownは大いに落胆した。 「えぇー、がっかり…鼠ちゃんたちには可哀想なことしちゃった…。いいわ、テストは充分だから改善は可能だろうし。それあげる、とっといて。貴女なら便利な使い道を見つけるでしょ」 つがいの鼠が一月に12匹の子供を産むと一年後には27,682,574,402匹になる。これを称してネズミ算と呼ぶように、相対的には防鼠より殺鼠のほうが人類及び鼠以外の生物のサバイバルに貢献する。動物ラブであるところのMoiraさんの考えは違うらしいけど。 今回の報酬はあっさり破棄された試作品現物と、塗布された化合物の材料の余り、JetとPsycho…て、 覚醒剤に強壮剤!? 納得。Mole Ratのちっぽけな脳みそが破裂しちゃうわけだ。そういえばMoiraさん、このドラッグを自分でもしょっちゅう使ってるとかなんとか………うわ。 古今東西の音楽家と投資家が愛して止まない至高のバイオリンStradivarius。究極のお宝が眠るVault 92は、私は勿論Agathaさんもその場所を知らなかった。手掛かりはある。Agathaさんはキャラバンの人達からVault-Tec本社の所在を聞き及んでいた。本社なら散らばったVaultの位置が判るかも。本社ビルはGNRビルのあるChevy Chaseのお隣、Vernon Squareに建つ。 “こちらはReilly's RangerのButcher。我々は危険な状況にある。誰かこれを受信したなら、援助を求む” “弾薬が底を尽き、一名を失った。我々はSuper MutantによりStatesman Hotelの屋上で身動きがとれない” “もし救援が不可能であれば、歴史博物館のUnderworldにいるReillyに連絡を頼む” “Statesman Hotelの屋上へは隣接する病院からしか入れない。頼む、急いでくれ!”
by yamanobe26
| 2009-05-11 16:31
| Fallout3日記
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