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クエスト名『Those!(後編)』
巣穴の奥底、産卵場。そこに巨大な女王アリの姿があった。女王は何故か人間に無関心。大人しいのか、鈍感なのか。街を一つ滅ぼした怪物なれど、個数としてはレアな生き物だ。ある種感動を禁じ得ない。 「結構、素晴らしい!顛末を報告してくれたまえ。さぁ、すぐにだ。早ければ早いほど君もすぐに報酬を得られる」 準備室のDoctor Weston Leskoのもとへ帰投。陰険むっつり眼鏡は、早速モニタリングに現れた変化の原因を追及してきた。 「約束通りに。五匹は始末、女王は無傷です」 「ではすぐターミナルへ向かい、処方箋の変更をしよう。君には大変世話になった…実に優秀な助手だ!」 結果に充分満足したDrから労いの言葉を賜った。本人にとってはこれが最大限の賛美らしい。 「どういたしまして」 「Bryanに謝罪しないんですか?」 「君は君の理念があるように私にも私の理念があるんです。私はいかなる犠牲を払ってでもこの実験を成功させる。その為にここにいる。未来の大勢の命を護る為に多少の命を犠牲にするという意味では安いコストでしょう」 「もう一度聞きます、Bryanに謝罪する気は?」 「ここを離れるなんて無理なんですよ…次の世代でどんな変異を見せることか!モニタし続けませんとね。子供と遊んでる時間なんてこれっぽちもない。彼らに私の仕事の重要性が理解出来るとでも?」 「…」 謝るのは負けですか。余りに不遜な態度に右手が勝手に銃を抜きそうになった。 待てど暮らせどいっこうにDrは抑制パルス発生装置なるものを起動しない。その存在を忘れたかのよう。 聞こえていないのか、Drは暴れる女王の周りを右往左往するのみ。 これで良かったんでしょうねぇ… Bryan少年との約束がある。Drが抑制パルスを使った後なら遠慮なく女王を始末するつもりでいた。Doctor Leskoは、まぁ死んだほうが世のため人の為になりそうな人間であるし。何よりBryanが、今はまだ彼を信じてるけど、いずれ父親の死はDrの研究が招いたと理解する。その時、親の仇が存命と知ったら許せるかどうか。先に遺恨が残らなかったのだから、これで良かったと思いたい。 「すごかったよ!アリたちが気が違ったみたいに殺し合いを初めてさ!みんなおかしくなったんだ!ホント、怖かったけど、でもすごかったんだよ」 シェルターを抜けだしてアリたちの狂騒を覗いていたらしい。私としては胸までしかないBryanの頭を小突くしかない。 「こら。出るなって言ったでしょ」 少年はバツが悪そうに愛想笑いでごまかした。 健気な子です。年端もいかない身で、誰にも頼らず生きていくのだと自分に言い聞かせてる。 「余所で暮らす気はない?」 言葉の意味を半分理解し、Bryanは目を大きく見開いた。 「ホント…ホントに?」 「見つけてあげる」 「わぁ!ありがとう。じゃ、じゃ君が戻ってくるまで家で待ってる。パパのお墓も作らないといけないし。約束だよ!」 「誰かパパの知り合いはいる?」 腕を組んで考え込むBryan。この子が孤独に生きるのはまだ早い。頼れる人間に当てがあるなら、そこのやっかいになるのが正しい。 「え…と、いとこのVeraだっけ、パパはよく話してた。どこだっけかな、どっか大きな船に住んでるとか…そうだ“Rivet City”って言ってた!…でもどこにあるか知らない」 「知らないのなら、探せばいいだけよ。じゃ、パパのお墓を作りましょうか」 「…」 思い詰めて表情をコロコロ変えるBryanを眺めるのは楽しいけれど、可哀想なので教えてあげよう。 「一緒に行きましょう、Rivet Cityへ」 残り半分の意味を知り、少年は大きく頷いた。
by yamanobe26
| 2009-03-22 13:28
| Fallout3日記
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