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クエスト名『The Power of the Atom』
「あぁー憶えてる、憶えてる、なんかそんなのがいたな」 「ホント!?」 「いや…正直言うと、俺は普段下しかみてないんだ。下手に客と眼が合うとからまれちまう。あぁ、Moriartyに聞いてみろ、もっと知ってるはずだ」 「ねぇ、Gob。お願い!大切なことなの」 「勘弁してくれ、美肌の嬢ちゃん。マズイの、話してるだけで滅茶苦茶殴られるんだよ」 「…」 Megatonへ戻った私は酒場に脚を運んだ。Moriarty's Saloonの扉を潜ったのは一杯ひっかけるのが目的ではなく、人捜しの為。 店に入って早速、気の良いバーテンのGobに泣きついてみたものの、ビール一杯じゃあっさり袖。説明した風体と合致する人物に心当たりがあるらしいGobだが、店主の名を出して逃げた。 酒場を見渡してオーナーの姿を探していると、隅っこに腰掛けた場違いなスーツがおいでおいでをしている。…あの人がMoriarty? 珈琲色のソフト帽にシルバーメタルのグラサン、細いストライプ地のシングル2ボタンを着こなすクールな男はMoriartyとはまったくの別人だった。 「そして君は…そうだな、この汚れたバケツの住人ではない。よって君は価値のある人間…ということになる」 「只の小娘です。私に何か御用ですか?」 胡散臭さが迸る自称Mister Burkeは鷹揚に頷いてみせた。 「お望みのままに。私はMegatonと無関係で、その未来に興味のない人物を捜してる。ここは骨董品だ。間に合わせで作られた最後の遺物、過ぎ去った絶望の。そろそろ…お役ご免にしたい。それを君がやることになる」 勝手に人の未来を決めないで貰いたいのですが…って!Megatonを消す!? 「その名の由来になっている不発弾はまだ生きてる、充分にね。ちょっとした刺激を与えればいいだけだ。私が持つFusion Pulse Chargeはその為だけに造られた。…あの爆弾の起爆装置だ」 「…」 「君がセットする。そして私は報酬を払う、気前よくたっぷりと。返答は?」 ストライプの地の胸をポンポンと叩くと楽しげに呟いた。 「一度入院したらどうです?」 皮肉も気に返さず、男の顔はコールタールのような微笑が貼り付いたまま。 「あぁ、それは残念。もし気が変わったら、いつでもどうぞ、待ってる」 ザワザワする。死神みたいな男。ベタ付く空気を引きはがして店の外へ逃れると、入り口の真ん前で捜し人と出くわした。 がっちり日焼けした肌とコントラストをなす白髪に白髭を蓄えた見るからに年季の入ったアウトロー、彼がMoriarty's Saloonのオーナー。 「初めまして。素敵な町ですね」 「俺の商売にケチをつけるな、身の程を弁えろ、ここでは俺の酒を買え。さしあたってこのぐらいか、俺が言えるのは」 眼下を冷たい瞳で見下ろすMoriarty氏は酒場の主に収まらず、このMegatonの顔役でもある。 「一つお聞きしてもいいですか」と父親の名を口にすると彼は突然振り返り、マジマジと私の顔を眺めた。 「なんだ…お前か!」 「は?」 「あのじゃりん娘がでかくなりやがって!鼻タレのチビだろ?変わってねぇ、まんまじゃねぇか。久しぶりだなぁ、お嬢ちゃんよ」 「へ?」 打って変わって強面を和らげた暗黒街のボスは、二度三度と私を小突く。 「あぁ、確かにお前の親父はここへ来た。そうだ、そしてもういない。探し物を手に入れて行っちまった。お前もそうするのか?」 ワケも分からず親しげに語られても。ホワイ?私、初対面ですよ? 「あの、人違いなさってませんか?私はその…隔離実験棟の生まれですし」 「親父がそう言ったか?あの穴蔵で生まれた、奴も同じだって?」 Moriarty氏は髭を揺すってゲラゲラと笑い始めた。 「おお、愛ゆえに謀るか!嘘だよ」 「嘘?」 「お前が生まれた後に親父さんがVaultへ連れていったんだ。お前さんの安全の為にな。よ〜く憶えてる。つまりな、俺の店にいたんだ、お前は」 「そういうこと。お前の父親、Brotherhood of Steelのダチ、そしておっぱいをしゃぶってたお前がな。…母親は気の毒だった、本当に」 「…」 私は母親の記憶が殆どない。遠い昔を懐かしむかのように目を細めた老人は無言で頷いた。 「だが、生命は続く。父親は嘘つき、人生は失望が一杯でも。そして…お前さんは大人になり、奴を追って流離うか」 どうしてそんな…あれ? 「でも私、Vaultで生まれた記憶がある…」 何処かの治療室、眩しいライトに浮かぶシルエットの二人…確かに憶えてる。 「あぁ、そうか。聞いてないか?あそこじゃ洗脳するんだと。逃げてきた奴らに聞いたことがある…5年前だったな」 「洗脳…偽の記憶!?」 「“監督官はァ偉大なりィ!我々はVaultに生まれェエ、Vaultに死ぬものなりィ!”ってな。キ○ガイ沙汰だ。娘っこよ、お前さんの脳みそは我らがDeputy Weldのオツムよりよく出来てるだろう。もっと賢くなれ。でないとかっさらわれるぞ…儲けをな、ん?」 Deputy Weldは町の門を護るProtectron。貧困なボキャブラリーで日がな一日客引きをやってる。 「お前は良い子らしいから、正直に教えてやろう。親父さんはここにいたがもういない。あぁ、何処へ向かったかは知ってる。だがな、お前が欲してるのは情報で、そして情報は商品だ。そうだな…100でいい、それで親父の居場所を教える」 Moriarty氏は「安いモンだろ?」と意地悪く眉毛を持ち上げた。…なるほど、賢くなれってやつですね。 交渉はパスして、お言葉通り、賢く立ち回ることにしましょう。店の裏口に彼の端末が置いてある。 『Moriarty専用!』 “今月の標語:困難な時とは、牛が乳を出さなくなった時である” ヤクもあつかってるんですか…。 パスを解除して覗いてみると、Moriarty氏は外見に似ず几帳面な性格だと判明した。店に来る客の人物評や金銭絡みのトラブル、その他モロモロを記録に残している。人物評の中にはスーツの男Mister Burkeも名を連ねる。怪しい人間なのはMoriarty氏も認めているが、金払いがいいので自由にしているそうです。あははは、存外抜けてる人ですね、Moriartyのオジさんは。その男の望みが自分の縄張りを地上から消し去ることだとは思いもよらず。 ま、そっちはいずれ教えてあげるとして…お、みっけ。『James(Vault 101)』、これだ。 “そう言えば突然、Jamesのヤツが戻ってきやがった。滞在中、世界がどうなってるのか知るには何処へ行けばいいのかと尋ねられた。俺はD.Cの廃墟にあるGalaxy News RadioとThree Dogのことを教えてやった。するとまたもやヤツは姿を消した” “ヤツと初めて会った時を思い出す。あれは20年ほど前か。それまでVaultに入りたいなんて野郎に会ったことはなかったが、ヤツには止まれぬ理由があった。子供だ。やたらよく泣くガキがいた。普段なら誰であろうと蹴飛ばして追い出してるところだが、ヤツは口の廻る男だった。その後、言ったとおりヤツはVault 101に逃げ込んじまった。去って20年だ。なかなかいい男ではあったが、金回りは悪かったな” ダディとMoriarty氏は親しい、少なくとも20年離れていても互いに憶えているぐらいの間柄。さっきの話が事実なのは間違いない。母を亡くし、あの人は私を育てる為にVaultへ潜り込んだ。私の為に… 翌朝、あの人を追ってGalaxy News Radioへ向かうべく町を下りて行くと。 “涙もない、悲しみもない、苦しみもない!分解こそが我らをこの世の苦難から解放すると知るであろう” “しかり!最早苦しみは何処にもない。Atomの輝きが流し去ってくれる。そしてその聖なる光が汝らを燃やし尽くす!” 相変わらず滅茶苦茶なこと言ってますねぇ。 Megatonを吹っ飛ばしたがってるのはMister Burkeのみにあらず。町の中心に突き刺さったプルトニウム爆弾を囲んで祈りを捧げるのは『Atomの子ら』。“破壊は創造である”の信念のもと核の洗礼を待ち望むカルト教団で、いつの日か素粒子まで木っ端微塵になるのを待ってるオモロイ方々。物質は不浄、存在が原子に還元されてこその成仏。一見海のように深そうだけど飛び込んだら水溜まり並みに浅かったぐらいの教義です。 そうだ…あの気味悪い男の野望、打ち砕いてやりましょうか。 な、なんですか…この爆弾、歯車で動いてますよ!? アホかー!!!! ええぃ、バラしてやる!! その日は永遠にこない。今日、神は死んだ。 町を出ようとしたら、動力部?の解体作業を眺めていたシェリフ兼一応は町長Lucas Simmsに上ずった声で引き留められた。 「報酬もないのに、まったく…よし、引っ越してこいよ!空き家の権利書とキーをやる。これでもう君はMegaton住民だ!」 Lucasはエラク感動したらしい。空いてる家をロハで提供してくれるそうです。 いやまぁ…頂けるモノは頂きますが、なにせ私はほとんど町にいない。使う機会はそうないかと。 「あぁ、そうだ!Craterside SupplyのMoiraんとこに顔出しておけよ!洒落た部屋にしたけりゃ彼女が適当に見繕ってくれる!」 それは当分、遠慮しときます。 産まれたときの記憶があるのは多少妙だと思ってましたけど、まさか偽の記憶を植え付けられてたなんて。Moriartyは五年前にも101から逃走した者に会っている。“隔離”って言葉に説得力がない。 Vaultに入る以前、私と父がMoriartyのやっかいになっていた。そこにもう一人、Brotherhood of Steelの男…何者かしら? 「子供!?」
by yamanobe26
| 2009-03-16 22:18
| Fallout3日記
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