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クエスト名『Blood Ties(後編)』
Arefuの町を度々襲撃する謎のグループFamily。犠牲になったWest夫妻を殺したのは息子Ianで、彼は既にFamilyのメンバーになっていた。Ianに何か起きたのか?何故、両親を手に掛けたのか?驚いたことにグループを統べるVanceは自分たちを“人喰い”人種だと称した。 この奇っ怪な指導者の言い分を真に受けるならば、Familyは“吸血鬼”のグループということになる。人喰い…人肉嗜好な者たちは確かに存在する。荒野を流離えば時にソレと判る痕跡に出くわすことがある。しかしながら、好きで喰うのと喰わずにはいられないというのは根本的に違う話だ。 Ianもそのうちの一人だと? 「あぁ、彼か。新しい仲間だ。用件は何だ?」 「家族から手紙を与ってきました」 まさかと顔を向けたVanceに封書を見せると、彼は眉を顰めた。 「まだ家族が残っているのか…では尚のこと彼は隔離する必要があるな」 「隔離…何故?」 「Ianは今、人生で最も危険な状況にある。Arefuで起きたことが彼に恐怖と混乱を与えた。彼が何をすべきか決意するまで、君と会わせるのは好ましくない」 「彼に何があったんです?」 「血肉の渇望が彼を襲い…それで両親を手に掛けた。あの晩、俺が介入したので彼は無自覚な欲望を押さえ込んだにすぎない」 「Ianがその…人喰いに目覚めたと?」 「さっきも言ったはずだがな。俺たちはもう、そうではないと。彼は身内だ…俺たちFamilyの。俺たちを揺り動かす飢えはコントロールされねばならん。それを教えるのが最も難しい」 「彼に会わせて下さい」 「駄目だ。瞑想中の彼を邪魔するのは正しいとは言えん。残念だが、許可出来ない」 人喰いと呼ばれることに嫌悪を示すVanceは、若干の苛立ちを滲ませて話を打ち切った。 彼らが何であるかを知る手掛かり、Familyの掟は端末に記されていた。その数五つ。 第一の掟“肉を喰らうなかれ。血のみを平らげよ。それが我らの血肉となる” 第二の掟“子孫をもうけず、追放された者を迎えよ。それが我らの宿命である” 第三の掟“快楽の為でなく、生きるために食らえ。それが我らの尊厳である” 第四の掟“陽光を求めるな。影のみを受け入れよ。それが我らに安息をもたらす” 第五の掟“仲間を殺すな。敵のみを殺せ。それが我らの正義である” プラットホームの板張りにメンバーを集め、Vanceの訓示が始まった。 “…我々に与えられた適性は無視され、迫害される為のものか。それは生き抜く為の道だ!我々は進化の生け贄かもしれない。あるいは人がこの地獄に適応するための次なるステップなのかもしれない。食料を得るのに肉を狩り、縄張りを広げる為に殺す『彼ら』と我々は違うのか!?勿論、そうではない!” 「吸血鬼だと答えたら私たちは異常者ですね」 「俺が蝙蝠になって空を飛ぶか?ありえんよ、鏡に姿を写してみせてもいい。当たり前だ」 Vanceはおどけたように小さく両手を広げ、パタパタと振ってみせた。 「何故Wastelandの方々から各々が集まってきたのか、それは俺が彼らに目的意識とアイデンティティーを与えられるからだ。俺は彼らに吸血鬼としての生き方を教える。避難場所と組織、そして同族意識を提供する」 「そこで皆に自分は空想の怪物だと教えてあげる?」 「俺を失望させないでくれ。心を開き、よく考えろ、評価を下す前に。彼らの欲望を抑え、肉を食することなく血を飲むことを教えたんだ。何よりも大切なのは、彼らが家族を得ること。その奇行が認められ、理解される場所があることだ」 「ただの冗談です。事情は理解してます。Ianに会わせて下さい」 …もっとも、お前は吸血鬼だ、ハイそうですとはいかないのが現実ってもの。端末にArefuが襲われた理由が記されてました。ごく単純な話で、血が必要だったから襲った。Familyは騒ぎにならない程度に小さな町を狩り場に選んでる。Vanceはルールを重んじ、吸血鬼の誇りを持って無益な行為を慎むよう厳命したものの、メンバーは羽目を外してドンチャン騒ぎをやらかしたようです。こんな穴蔵で篭もっていればストレスが堪って当然。外へ出れば吸血鬼ならずとも血が騒ぐ。 ノロノロと起きあがってきた彼にArefuから来たことを伝え、両親の死を知らせると彼は激しく取り乱した。 「俺が知らないと思ってるのか!?俺が何をしたか!」 Ianは激昂し、両親を殺したのは自分だと叫んだ。 「話は聞きました」 「なら俺を怪物の仲間だと思ってるんだろ!?」 きつく睨みつける少年の発した問いはFamilyの者達が同じくする怨嗟。 「何かいるんだよ、俺の中に…ワケの分かんないのが!俺はMutantだ、怪物なんだ。判ってくれるのは姉さんだけだ。でも、もう彼女はいない」 今、自分を救えるのはFamilyとVanceだけだと俯いた。 …もしかすると、LucyさんはIanの異常に気づいていたのかしら?姉からの手紙を渡すと彼は文面に眼を落としたまま固まってしまった。 「…なら、どうします?」 「ここへ来たのは間違いだったのかもしれない。Lucyもきっと同じことを思う。Arefuへ戻ってEvan Kingに伝えてくれ、俺も帰るって。荷物まとめてさ。さよならを言うよ、ここに…一人にしてくれ」 やつれた面をあげ、彼は小さく頷いた。 とんと命が軽くなった世界でも血を分けた身内のは重い。Ianの内でいかなる葛藤があったのかは知らず、彼は家に帰ると決めた。自分でそう決めたのだからそれでいいと思う。後は、あのVanceが認めるか…ですね。 「どうだった?話は出来たようだな、Ian少年と。結果を知りたい。あの子は決めたのか?」 「その前にArefuの話を」 いきなり話の矛先が代わり、Vanceは眼を丸くした。 「なんだ…君は交渉で来たのか?」 「そんなところです。人血であれば何でも構わないんですか?輸血パックでも」 「まぁ、そうなんだがな。何年か前、病院跡で輸血パック飲んで生きのびたことがある。だが数が少ない。何かアイデアが?」 「Arefuの町に用意させます。それであそこには手を出さないで下さい」 Evan Kingから仲介役を頼まれてはいませんが、ただ戻ってはArefuを狩り場にしているFamilyと一悶着起きるのが確実。血を購入して生活する吸血鬼もないでしょうけど、飢えて人間を見境無く喰らうになればVanceの苦労も水の泡。彼は提案に難色を示した。「悪くはないが、我々は金品に余裕がない」と。 結局、町の保護をFamilyが請け負い、その対価を輸血パックにあてる案で手を打つことになった。と言っても、Arefu側の交渉はこれからではありますが。 いよいよ本題、正直に話してよいものなのか。Ianを唆したとしてメンバーの袋だたきにあうのは避けたいですよねぇ…と迷っていると、察したVanceが助け船を出した。 「彼の決定に対し我々が報復することを怖れているのなら、その件で我々は決して君に敵対しない。 Ianが君に打ち明けたのなら、君が真実を語るに充分と彼が信頼したと見なす」 「…家に帰るそうです」 「仲間を一人失うのは悲しいが、人は誰でも己が道を行かねばならん。私は彼を導いてやりたかった、それだけだ。今やその責任は君にあるようだな。彼のことを頼むぞ」 こちらが迷ってる段階で答えは出てる。説得を諦めたVanceは一つ頷き、Ianの脱退を認めた。 自宅に戻ったIanから両親を手に掛けたその日、実際には何が起きたのかを打ち明けられた。概ね、Vanceが語ったのと同じ。Ianは食人衝動に駆られ意識を失い、彼が気づいた時には両親が血の海に浮かんでいたそうです。身のうちにある得体の知れない何かに怯え放心していると突然Vanceが現れ、Ianの手をとって町の外へ連れ出した。Vanceには不思議な力があり仲間の存在を感知するとIanは言ってますが、私は今ひとつ信じられません。 息子が人喰いに目覚めた事実を両親が受け入れられるとは到底思えず、Lucyさんはこの出来事を秘密にしました。姉の献身でIanはなんとか衝動を抑えこんでいたけれど、彼女が町を去り、遂に今回の事件を起こしてしまった。 「…自分が吸血鬼だと思う?」 「さあ、どうかな。正直判らない。俺もまるっきりの馬鹿じゃないから、それがお話の中に出てくる存在なのは知ってる。でも誰に判る?多分、Vanceは正しいよ。ヴァンパイアって俺たちみたいに飢えをコントロールする術を学び、血だけを飲むようになった人間なんじゃないかな。つまり、動物を狩る代わりに人を喰らう怖ろしい怪物だって思われてたんだろ?だからさ」 是非はともかく、血を吸うのは命を狩るよりも優しい行為と言えなくもない。Ianは両親の家に残り、ここで大人しく暮らすようです。 Mutantと人間、そして吸血鬼…あぁ、そう言えばRichard Mathesonの“吸血鬼”で最初に絶滅したのは人間でしたっけね。
by yamanobe26
| 2009-03-10 19:50
| Fallout3日記
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