カテゴリ
ご注意 Simらし本編 Simらしスナップ Sims2使用素材 Fallout3日記 Index Fallout3日記 Oblivion日記 Index Oblivion日記本編 Oblivion日記外伝 Oblivion日記SI Oblivion日記MOD編 Oblivion日記W Skyrim日記 Index Skyrim日記 その他のジャンル
最新の記事
|
クエスト名『Blood Ties(中編)』
ぐずついたお天気の続く今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか。私は銃弾の雨をかい潜ってます。 「はっはは!いや、いや、そうはいかなくてな!」 とにかく、今はこの場を離れないと。 「動くな!」 「お、お前はボクの秘密を奪いに来たんじゃないだろうな?」 「秘密?」 「とぼけるな、Ultrajetの製法だよ!あぁ!!クソ!バラしちゃったじゃないか!ボクとしたことが!」 「はぁ?」 一人ボケツッコミのスキルを持つ彼の名はMurphy。Jetというのはメタンフェタミン、中枢神経を刺激する合成麻薬で早い話が覚醒剤のこと。原料は牛の糞でーす。常用すると4、5日で中毒症状を起こす。薬オタのMurphyは効きの悪いGhoul用に倍の効果があるUltrajetなるものを製造してるんですと。その材料集めに苦労しており手伝って貰えないかともちかけてきた…って、私は別にJet愛好家じゃないのに。 「ロハで?」 「いやいや。勿論、ボクは君がヤク中の慈善家だとは思ってない。Ultrajetの製造には三つ必要だ。二つは足りてる、残る一つを探すのが少々難しい。Sugar Bombsを」 Sugar Bombs。正式には『Sugar Bombs Breakfast Cereal』箱入りシリアルフード。マーケット辺りに転がってましたっけ。Murphyは一個につき15払うそうです。安! 「まぁ…見つけたらということで」 「結構。頼むよ。大量にいるんだ、そいつが」 「ところで、Familyとかいう人達知りません?」 「いるよ、この向こうだ。ボクとは無関係だが、幸いなことに。東の何処かに棲んでる。君がお馬鹿なら地下道を抜けて奧へ行けばいい」 「?」 薬しか関心のないMurphyはそう言い捨てて駅員室へ戻っていった。 Ghoulな人々は所謂一つの勝ち組ではありますが、数的有利は旧人類側にあるのでこのようにひっそりとマニアックな暮らしをしています。見た目はアレですけどちゃんと知性も残っており、環境に不安がないせいか割と社交的。ただ、一部野良化したGhoulの存在が彼らの立場を悪くしているのと新人類もう一方の雄Super Mutantと事実上同盟関係にあるらしく、大多数のSmooth Skinは敵視してます。 お馬鹿なら。なるほど。他の入口があるのかもしれないけど現状、駅の外へは出られない。ここを抜けるしかないっスね。 「おーし、止まれ。ここはFamily以外立ち入り禁止だぜ。何処へ行くつもりだ?」 ここがアジトの入口で間違いなし。感じRaiderとは人当たりが違う。話が通じそう。 「人を探してます。Ian West、ご存じありませんか?」 「あぁ、新入りのガキか」 「…新入り?」 「そういやVanceの奴が言ってたな、すぐに誰か捜しにくるって。入れてやってもいいが、まずVanceと話したほうがいいぞ、公共区画を見渡せる中二階にいる」 「何処ですって?」 「Merestiのでかいホール。Familyの本拠地だ」 Meresti…Northwest Senecaの隣の駅か。 声も出なかった。線路沿いに進んで出たのは巨大なプラットフォーム。線路を板で塞ぎ、その上に長テーブルと椅子がびっしり。並んだ照明に照らされて暗がりを多数のシルエットが浮かぶ。 Familyのメンバー達は、King氏の語るようなチンピラ集団とはまるで違った。浮ついたところのない良く統率されたコミュニティで、とても町を襲撃してドンチャン騒ぎをやるようなグループには見えない。会話に端々がこの穴蔵で隔離生活をしているのを伺わせる。そのうちの一人、Justinという童顔の男にIanの所在を尋ねてみた。 「彼奴に何の用だい?」 「両親が亡くなられたことを伝えに」 「あぁ、知ってる。本人の口から聞いた」 「え?」 「驚いたかい?事件が起きたときIanはそこにいて、そして止めなかった。理由は自分に尋ねてみればいい、答えは簡単さ」 それって… 「両親を殺したのは彼なんですね」 Justinは頷きもせず、遠い昔を語るように事実だと告げた。 「ここが彼奴のいるべき場所だ。もう“家族”なんだ。彼からホームを取り上げるような真似はやめてくれ」 Ianに会うにはグループのリーダーVanceの許可を取らなくてはならないそう。 「ようこそ。皆は俺をVanceと呼ぶ。ホームを必要とする旅人と追放された者たちの導き手だ。さて、俺は君の訪問を喜んでいいものなのかな?」 「モグラやGhoulでもないのに穴蔵暮らしですか」 頽廃的な眼をチラリと私の左手に向け、彼はフンと笑った。 「君の目の前にあるのは砦、虐げられし者たちの最後の希望。抑圧された者たちの聖域にして信頼の象徴だ」 「何か怪しい宗教団体みたいに聞こえますよ」 「違う。俺たちはゴミだ、狩人の宴でむしり取られた骨のように捨てられた」 Vanceは難解な例えで煙に巻き、更に奇っ怪な事を言い出した。 「科学者は俺たちを“人喰い”と呼ぶ。人肉を食する者と。世の常識では怪物、悪魔、不浄の者と記される。俺は皆を救う為に、生き方を教える為にこの干からびた砂の下へ招いた」 「…言ってる意味がわかりません」 「人間は俺たちの根絶、もしくは改心を望む。『更正』…というといかにも俺たちが間違った存在であるかのような響きで気に食わんな。俺の教えは『改善』が適切だろう、人喰いの性をコントロールする」 「あの、“それ”って文字通りの意味で…」 「イエス。文字通りだ、お嬢さん。だが、残念ながら君は絵の一部しか見ていない。客観性を学び、無知を補え。俺たちは最早人喰いではない。獲物の血を頂くだけだ」 「…」 「さぁ、君の目に俺たちはどう映る?」 …パラノイア?
by yamanobe26
| 2009-03-01 22:25
| Fallout3日記
|
ファン申請 |
||