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クエスト名『Big Trouble in Big Town(前編)』
サバイバル本を執筆中なMoira Brownのリサーチはどんどんエスカレート、既に過酷な環境を効率的に生き残る術ではなくほとんどビックリ人間新記録の域。身が持たないので少々休んでバイトに精を出すことにいたしました。バーで知り合ったキンパ碧眼の女Lucy Westからデリバリーサービスを頼まれ、これ幸いとMegatonを出て北西に位置する集落Arefuへ…向かう途中のこと。 飛び退いた脚もとわずかを高速で飛来したミサイルが掠め去り。 私の来訪が何かの合図であったのか。武器を携えた住民とSuper Mutantが交戦を始め、Big Townはたちまち戦場と化した。 住民たちの奮戦でほどなく残虐な襲撃者は撃退。町を廻って本業(死体漁り)に励んでるとその一人が寄ってきた。 若い金髪の男がリボルバーを突きつけ、鋭い声で威嚇する。 「…」 一発は貰う覚悟を決め、お返しに数十発叩き込んでやるべく腰のサブマシンガンに手を掛ける前。 「…なんてな。冗談だ。こいよ、見ての通りトラブルの真っ最中さ。もし君が助けてくれるならグレィト!そうじゃないなら、頼むからここにいる間は面倒を起こさないでくれ」 くっきりとした鍵眉を持ち上げ、若い男は破顔した。 「あぁ、あっちを向けばSuper Mutant、こっちを向けば奴隷商人。君はどっちがいい?どっちも乗り込んできてかっさらえるだけかっさらってく。抗うものは一人残らず…」 バンっと金髪の青年Flashは愛用の、素手で殴ったほうがまだ威力のあるポンコツ、32口径を側頭に当てた。 「願わくは同時にやってきて俺たちの奪い合いでモメてくれるとありがたいね」 町はSuper Mutantと奴隷商人に目を付けられてる。Big Townの一人自警団Flashは唾とともに吐き出した。頻繁な襲撃に晒され、前回も仲間の一人がMutantに拉致されたそう。 「?」 「助けてくれるんだろ?違うのか?」 拉致被害者の救助、それが当たり前と言わんばかりに彼はドングリ眼を向けてきた。ははぁ…派手に立ち回った姿に傭兵か賞金稼ぎの類と勘違いしてる。 「私、こう見えてただのジャンク屋見習いですけど」 ピシリと告げられた素性に彼は落胆を隠さなかった。軽い溜息一つ、「無理でなければ助けてやって欲しい。報酬は出す」とトーンを落とした。 「残ってるのはこれで全員なんですか?」 Mutantの迎撃で町から出てきたのは僅か三人だった。男二人女一人、バリケードの内に見かけるのはそれプラス見張りのDustyだけ。Flashは頭を小さく振った。 「大半はもういないよ。俺だろ、それにPappy。Redは診療所を経営してるがMutantにさらわれた。Kimbaは…やれることはやってるな。あとはBittercupがいる。彼女は人類一の役立たずさ。Timebombは前の襲撃で傷を負ったからいないも同じ。そんなもんだな。他はMutantと奴隷狩りに掴まっちまったよ。俺たち以外に残ってるのは銃が二、三丁だけだ」 「何故逃げないんです?」 「何処へ逃げる?Megatonは入れてくれない、Lamplightは出戻り不可、Rivet Cityは遙か彼方だ。そもそもこの町すら護れない俺たちが束になっても荒野を彷徨くなんて無理だよ、だろ?」 「…Lamplight?」 「前はみんなそこで暮らしてた。歳に制限があってさ、16才で追い出されるんだ。でも心配ない、荷物をまとめてBig Townへゴー。大人はみんなソコへ行く。たらふく食えるぞー、てな」 Flashは片時も手から放さない銃を、今度はお腹に向けた。 「“腹一杯食える”、鉛弾で良ければ。忘れちまったよ、もう何回撃たれたか…なんてさ」 つまり“Big”は大きな人の意で、Big Townは更に“Big”な者たちに狙われている。 現状に対する住人の反応は一様で、はっきり言ってしまうと諦めムード。ペシな考えに取り憑かれ、端っからやる気がないのがPappy。拉致された者の救出は考えないのかと問うとブチ切れた。 「これだけは憶えておけ、俺たちはどんずまり!遅かれ早かれ一人残らず餌食だ。いい加減なこと言うんじゃねぇ!英雄気取りか?ダチを変態どもから救い出す?ふざけろ!疫病神が」 「つまりお友達は見殺し?」 「まてよ!そうは言ってない。ただ、Germantownへ乗り込むなんてキ○ガイ沙汰だ。お前なら助けられるのか?」 「生きてるなら、なんとかなると思いますけど」 「は!なんとかなる、そうかい?そいつはお前の葬式だ。俺は出席しないからな!」 Pappyは捨て台詞を吐いて立ち去った。つい先刻、デカブツの首をスイカのように割ってみせた男の台詞とは思えませんな。 「大丈夫?」 「えぇ、さっきはありがとう」 隣に腰掛けたKimbaは疲れきった顔を向けた。さもありなん、ミサイルに追い回されていたのは彼女。 「彼らが来る時はいつもよ…殺さずに何人か掴まえていく。その後はどうなるのか誰も知らない。知りたいと思う人もいないけど。で…そこら中、血だらけ。誰かが片づけることになる…死体をね」 夢も希望もないと再び俯いた。彼女とFlash、Pappy、BittercupそしてさらわれたRedは幼馴染み、一緒にLittle Lamplightを出てBig Townへやって来た。Redの安否を気遣ってはいるものの、彼女はとても臆病。襲撃時も怯えて逃げ回るだけ。実際、一度たりとも背中のライフルを抜かなかった。 結局、悲嘆してない人間はFlash一人で、その彼にしても「町をパトロールするのに忙しい」とRedの救出には消極的な態度を崩さない。 Big Townの北、僅かに干上がった地面を晒す河を渡り、黄色の巨人が我が物顔で闊歩する土地へ。 それは一瞬の風。 超然と誇り高くも愛らしいその姿が瞼に焼き付いた。
by yamanobe26
| 2009-01-15 17:30
| Fallout3日記
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